チャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第4節が4日に行われ、パリ・サンジェルマン(PSG/フランス)とバイエルン(ドイツ)が対戦した。
昨季、クラブにとって悲願だった“ビッグイヤー”を掲げたPSGは、王者として今大会に参戦。リーグ・アンでは首位に立ちながらも、現時点では例年のように他のチームを引き離すには至っていないが、ここまでのCLでは5チームしか成し遂げていない開幕3連勝を達成。第1節でアタランタ(イタリア)を4-0、第2節でバルセロナ(スペイン)を2-1、第3節でレヴァークーゼン(ドイツ)を7-2で破っており、順調と言えるスタートを切っている。
対するバイエルンも、開幕からの公式戦全15試合を白星で飾り、欧州5大リーグクラブの開幕連勝新記録を樹立。シーズン全体で見ても、クラブ史上2度目の連勝記録を叩き出すなど、ここまで絶好調をキープしている。CLのみを見ると、開幕節でチェルシー(イングランド)を3-1で、第2節でパフォス(キプロス)を5-1で、第3節でクラブ・ブルッヘ(ベルギー)を4-0で下してきた。
そんな両者によるゲームは、キックオフ直後の4分に動く。PSGのウィリアム・パチョが差し込んだ縦パスに対して、ダヨ・ウパメカノが鋭い寄せでボールを奪うと、ルーズボールを拾ったジョシュア・キミッヒが縦パスを入れ、セルジュ・ニャブリがうまくフリック。抜け出したミカエル・オリーズのシュートはGKリュカ・シュヴァリエに阻まれたものの、こぼれ球に反応したルイス・ディアスが冷静に仕留め、ショートカウンターを完結させた。
バイエルンが幸先良く先手取ったが、PSGもホームで簡単には引き離されない。23分、右サイドからのクロスボールに対して、ボックス左の位置で待っていたファビアン・ルイスがボレーで折り返す。最後はフリーになったウスマン・デンベレが胸でコースを変え、ゴールネットを揺らした。だが、ここはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)でオフサイドが確認され、得点は認められない。
この直後、PSG側にアクシデントが発生。コンディションが万全ではないデンベレが交代を余儀なくされ、代わってイ・ガンインがピッチに立つ。フヴィチャ・クヴァラツヘリアが最前線のポジションに入り、前半の早い時間帯に交代カードを切ることとなった。
PSGは30分、ファビアン・ルイスからの大きな展開でブラッドリー・バルコラが左サイドを抜け出し、見事なファーストタッチで自らフィニッシュまで持ち込んだが、GKマヌエル・ノイアーに阻まれる。PSGがチャンスを逃すと、直後の32分に今度はバイエルンが決定機を構築。ペナルティエリア手前からセルジュ・ニャブリがミドルシュートを放つと、左ポストに当たった後で右ポストに当たり、ゴールとはならなかった。
両者ともに追加点のチャンスを逃した中、32分には思わぬ形から次の1点が生まれる。PSGの最終ラインでボールを持ったマルキーニョスに対して、L・ディアスが猛然とプレスをかけてボールを掻っ攫うと、自ら右足でシュートを流し込む。L・ディアスのこの日2点目で、バイエルンがリードを広げた。
だが、このまま前半が終わることはなかった。PSGの右サイドでボールを持ったアクラフ・ハキミが、自らのドリブルで前進しようとした際、守備に行ったL・ディアスが後ろから危険なタックルを見舞い、OFR(オンフィールドレビュー)を経てレッドカードが提示。バイエルンは2点をリードして前半を終えたものの、後半は10人の戦いを強いられることとなった。なお、このプレーでハキミは負傷交代し、セニー・マユルが送り出されている。
後半に入ると、数的優位となったPSGが猛攻をスタート。65分にはボックス内でヴィティーニャからのパスを呼び込んだフヴィチャ・クヴァラツヘリアが右足でシュートを放つが、ここはGKノイアーの正面。68分にはボックス手前でクリアボールを拾ったヴィティーニャがミドルシュートを放ったが、またもGKノイアーに弾き出された。
それでも74分、ペナルティエリア手前右寄りの位置でカットインしたイ・ガンインが左足でインスイングのボールを放り込むと、ボックス左のポジションを取ったジョアン・ネヴェスが体を倒してボレーシュートを沈め、遂にPSGが1点を返す。直後の78分にはまたもイ・ガンインが起点となり、斜めの動きでスルーパスを引き出したウォーレン・ザイール・エメリが決定機を迎えたが、GKノイアーが立ちはだかった。
後半アディショナルタイムも含めて、PSGは同点を目指して怒涛の攻めを続けたが、後半途中から5バックに変更したバイエルンも最後まで耐え凌ぎ、試合はこのままタイムアップ。この結果、苦しみながらも勝利したバイエルンがCLで4連勝を飾り、開幕からの公式戦連勝記録を「16」に伸ばした。対するPSGは、今季CLにおける初黒星を喫した。
次節は26日に行われ、PSGはホームでトッテナム・ホットスパー(イングランド)と、バイエルンは敵地でアーセナル(イングランド)と、それぞれ対戦する。
【スコア】
パリ・サンジェルマン 1-2 バイエルン
【得点者】
0-1 4分 ルイス・ディアス(バイエルン)
0-2 32分 ルイス・ディアス(バイエルン)
1-2 74分 ジョアン・ネヴェス(パリ・サンジェルマン)
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