ネクヒロからは27人が最終進出  23歳・池羽陽向は“試合漬け”を合格の糧に「1週間後には来年の生活が変わる」

<JLPGA最終プロテスト 事前情報◇3日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部 (岡山県)◇6464ヤード・パー72>

プロテスト合格を目指す25歳以下の選手が戦うツアーがある。それが『マイナビネクストヒロインツアー』(以下、ネクヒロ)。そこで今年プレーしたうち、27人が今回の最終プロテストに進出している。6度目の挑戦となる池羽陽向も、そのひとりだ。
「1週間後には来年の生活が変わってると思うとプレッシャーは感じる。でも今、ネガティブな気持ちになってもよくはない。(合格ラインの)20位を目指して頑張る。ネガティブな気持ちを変えて、明るい気持ちで」

開幕前日の心境をこう話す23歳にとって、この2025年はさまざまな経験を積んだ1年だった。昨年の12月30、31日にオーストラリア・ツアーのQTを受け、年明け直後から3月まで参戦。4月からはネクヒロのシーズンが始まり、ここまで8試合に出場してきた。1勝を含むトップ10入り4度と、ツアー屈指の安定感を誇っている。5月には予選会を通過し、海外メジャーの「全米女子オープン」にも出場。大きく経験値を上積みした1年になった。

成長を感じるひとつが、メンタル面。「予選を通らないと赤字」というオーストラリアツアーでは、“切り替え力”を身につけた。「ボギーを打ってもネガティブにならず、次にバーディを取ることを考えてました。それでバーディが取れるようになって自信にもなりました。去年までは慌てていた場面でも『こういうこともある』と冷静になれています」。難コースの全米女子オープンでは「私の技術だとアプローチが寄る場所を見つけられなかった」という経験から、帰国後は小技のバリエーション増に着手。とにかく実戦を通じて成長を続けてきた。

ネクヒロでも、それは同じ。例えば、優勝した4月の「CRÉATION DREAM CUP」は神奈川県の葉山国際カンツリー倶楽部で行われたのだが、それは強風のなかでつかんだカップでもあった。もともと、風のなかでのプレーは「得意ではない気がしてる…」と弱気になる点。しかし、この試合が「ネクヒロで勝った時もすごく風が強かった。去年より風に対する免疫があがって、今は対策も立てられています」という“転機”にもなった。なにより転戦経験を積めるツアー生活は、来年へのいい予行演習にもなる。

“試合漬け”だったここまでを振り返り、実感することがある。「試合の心境だからこそ『あのバンカーが気になる』とか、『このパットが緊張する』という気持ちが出てくる。試合の緊張感で回ることは自分のなかで大事にしていることのひとつ」。実際、今回が初の最終テスト進出。上積み部分を生かしてきた。

「冷静に、どんなことがあっても焦らず判断して、一打一打、自分がやれることをやって、いい結果につながればいい。後悔しない選択をして、後悔なく終わりたいです」。それが合格に向け、コースでやるべきことだ。

初日は、同じネクヒロで戦う藤川玲奈と同組。「球の高さが違うから、風の時の参考にはならないんです。逆に戸惑うから(藤川のプレーは)見ない」と笑うが、“同じ釜の飯を食う”仲間と切磋琢磨できるのも、“プラスα”の効果を生み出すはず。この他にも、現在ネクヒロ女王を争う桑村美穂や早川夏未ら、ツアーのエース格が多く挑戦している。池羽と同様、その経験を大一番で生かしたい。(文・間宮輝憲)

【今年のネクヒロ出場し最終プロテストに進出した選手】※カッコ内は年齢
商崎鈴菜(25)
安藤百香(22)
池羽陽向(23)
石川夢香(23)
今井鮎美(24)
今西さくら(21)
長田ひなた(21)
木下夏帆(25)
久世夏乃香(22)
倉林夏(21)
桑村美穂(20)
古賀妃(25)
佐田山鈴樺(25)
島田紗(24)
田口蘭名(22)
千田萌花(22)
中澤瑠来(22)
早川夏未(23)
藤川玲奈(22)
藤本愛菜(18)
前多愛(23)
森本天(23)
山本彩乃(25)
山本実希(19)
横山珠々奈(22)
横山もも(24)
和久井麻由(24)

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