軍用機のトイレはどうなってる? 「“大”したら地獄絵図に…」いろいろスゴすぎる&機種でも違う…?

長距離飛行する民間機の場合、操縦している機長や副操縦士(副機長)は、コックピットに最も近いキャビン前方の乗客用トイレを使用するのが一般的です。では、軍用機の場合はどうでしょうか。

軍用機のトイレってどうしてるの?

 長距離飛行する民間機の場合、操縦している機長や副操縦士(副機長)は、コックピットに最も近いキャビン前方の乗客用トイレを使用するのが一般的です。では、軍用機の場合はどうでしょうか。

 長時間の飛行を行う場合、当然ながら操縦士もトイレを使用しなければなりません。日本の航空自衛隊をはじめ、世界各国の空軍でも、長距離・長時間飛行を行う輸送機や空中給油機などの大型軍用機は、民間機と同様に機長と副操縦士の二人体制で操縦しています。

 まず、トイレへの行き方について見てみましょう。多くの民間機では、機長または副操縦士がトイレに行く際、操縦室に一人だけを残すことを避けるため、客室乗務員がコックピットに入り、常に二人以上がいるよう運用がとられています。これは、操縦士の急病や不測の事態に備えるためです。

 自衛隊ほか世界の軍の大型機でも、基本的に操縦士を一人にすることはありません。フライトエンジニアやロードマスターなど、他のクルーが常にコックピットに同席しています。

 では、トイレの設備はどうなっているのでしょうか。

 たとえば航空自衛隊のC-2輸送機には、旅客機と同様のトイレが設置されています。格納庫内に個室として扉が備えられており、手洗い用の蛇口が簡易的な水タンク式になっている点を除けば、ほぼ旅客機と同等の設備です。

 C-2は紛争時の邦人救出などの任務にもよく使用されますが、この快適なトイレがあることが大きいかもしれません。というのも、軍用機のトイレは必ずしも環境が良い訳ではないからです。

大きい方ができない機内トイレだと…!?

 まず、海上自衛隊が運用しているP-3C哨戒機、同機に関しては、トイレはあるにはあるのですが、このトイレは基本的に“小”専用の設備となっており、どうしてもやむを得ない緊急時を除き“大きい方”はできないような設備なのだそうです。やむを得ず大をした場合、機内の臭いなどで大変なことになったという元自衛官の証言などもあります。

 小をするにしても簡易的なトイレであるうえ、哨戒機である性格上、旅客機や平時の輸送機などと違い、上下左右に大きく揺れます。そのため排泄中の“トラブル”を避けるため、乗組員はなるべくトイレに行かないように水分摂取などにも気を使います。これも訓練の内なのだそうです。なお、海上での哨戒任務は、長い場合は8~10時間と大変なものになります。この間尿意を調整するとは驚愕です。

 なお、現在海上自衛隊が配備しているP-1やアメリカ製のP-8「ポセイドン」など新しい哨戒機に関してはちゃんとしたトイレが設置されており、乗組員の勤務環境が改善されています。

 自衛隊ほか世界中で使われているC-130輸送機に関しても普段の生活から考えると過酷です。C-130は戦後まもなく開発された軍用輸送機で、初飛行が1954年と、航空自衛隊の発足と同じ年となる、驚くべきロングセラー機です。

 2025年現在もバリバリの現役機ではありますが、設計が古い機体のため、C-130のトイレはかなり開放的です。

 輸送機の座席の一角にトイレがありますが、もちろん壁はありません。もし、用を足したくなった場合は、トイレの周囲にはためくカーテンを引き、個室をつくるのです。

 もちろん、音やにおいはカーテンでは防ぎきれるものではなく、自衛隊員の中でも、使用をためらうものもいるといいます。ただ、貨物しか搭載していない場合などは、ほかの自衛隊員をみんな前方へ追いやって、カーテンを閉めずに開放的に用を足す隊員もいるようです。このように、搭乗する機体により大きく環境は異なっています。

※一部修正しました2025年10月25日 17:45

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