
陸上自衛隊は2025年10月23日、内海造船瀬戸田工場(広島県尾道市)において新たに建造された輸送艦の命名式および進水式を実施しました
陸上自衛隊が命名式を執行
陸上自衛隊は2025年10月23日、内海造船瀬戸田工場(広島県尾道市)において新たに建造された輸送艦の命名式および進水式を実施しました。「あまつそら」と命名された同艦は、にほんばれ型輸送艦の2番艦として建造が進められていた船です。
「あまつそら」の全長は約80mで喫水は約3m、乗員数は約30名です。輸送性能は数百トンで、車両十数両または20フィートコンテナ十数本程度の積載が可能です。速力は15ノット以上。岸壁や砂地に離着岸し船首のランプから車両や補給品などの搭載と陸揚げを直接行うビーチング能力を持ちます。
同船は、防衛大臣直轄の船舶部隊「自衛隊海上輸送群」に配備される予定で、島嶼部などへ部隊を機動展開させる際などに重要な役割を担うことが期待されています。
「自衛隊海上輸送群」は南西諸島をはじめとした島嶼部などに部隊や物資を迅速に輸送することを目的とした部隊で、2024年度末(2025年3月)に海上自衛隊呉基地で新編されました。
海上自衛隊や陸上自衛隊、航空自衛隊の垣根を取り払った共同部隊であり、輸送船だけでなくPFI(民間資金等活用事業)契約を結んで防衛省が優先して運用可能な民間船舶や、航空自衛隊の輸送機などとの統合運用まで考えられている模様です。
なお、「あまつそら」をはじめとした各種輸送艦の操艦は陸上自衛官がメインであたる見込みです。そのため、このたびの命名式の執行者は陸上自衛官である中部方面総監、遠藤 充陸将が務めました。