就役前の“特殊な砕氷船”早くもピットロードがプラモデル化へのテストキットを公開 軍所属の艦艇と違い苦労した部分とは!?

東京ビッグサイトで開催された「第63回全日本模型ホビーショー」のピットロードブースにて、1/700スケールの北極域研究船「みらいII」が展示されました。

まだ就役していない最新船のプラモがお披露目!?

 2025年10月17日から19日まで、東京ビッグサイトで開催された「第63回全日本模型ホビーショー」のピットロードブースにて、1/700スケールの北極域研究船「みらいII」が展示されました。

 同船は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が北極域の研究のために運用を予定している砕氷船で、世界的にも珍しい、ドップラー効果を利用して対象の相対的な移動速度や変位を観測する「ドップラーレーダー」を搭載しています。

 その「みらいII」は現在、ジャパンマリンユナイテッドで艤装中で、2025年10月時点ではまだ就役前の段階にあります。

 ピットロードは、実質的な空母化改修を終えたばかりの海上自衛隊の護衛艦「かが」など、新しい艦艇をいち早くプラモデル化することで知られているメーカーですが、このような調査船の製品化は今回が初めてのようです。

 製品化に至った経緯について、同社の企画部長に話を聞いたところ、「実はJAMSTECさんの方から製品化の公募がありました」と明かしてくれました。ピットロードでのプラモデル化が決まったのは2025年8月末とのことで、今回は3Dプリンターで出力したテストキットが初お披露目となりました。

軍所属艦艇のプラモデルとの大きな違いは?

 まだ企画は始まったばかりで、発売日や価格などは未定ですが、パーツ構成に関する説明はありました。

 まず、この製品では部品を成形する際にできる「ランナー」を複数の色で製造する方式を採用し、組み立てた状態である程度の色分けが再現されるようになっています。いわゆる「色プラ」と呼ばれるもので、現在ではガンダムのプラモデル「ガンプラ」で一般的な手法ですが、艦船モデルでこの方式が用いられるのはまだ珍しいといえます。

 この方法を採用した理由について、前述の企画部長は「軍艦と違って、単色やそれに近い色構成ではなく、全く異なる色が使われていることが大きな理由です」と話します。実は、以前に製品化した海上保安庁の巡視船の経験が、この製品にも活かされているとのことです。

「軍所属の船とは違い、どうしても派手な色の甲板になったり、細かい部分の色分けが面倒だったりします。その部分をあらかじめ元パーツで色分けしておいた方が製作が楽になります。この点は巡視船のキットに近く、今回も同様の方法を取りました」(企画担当者)

 現在では金型技術も進化しており、さまざまな形状での成形が可能になっているため、製造段階で色分けを行うのも、以前ほど難しいことではないそうです。

 また、パーツの段階でカラーリングを明確にしておくことで、塗装をしなくても原色に近い仕上がりが再現でき、「みらいII」が実際に就航した後に興味を持った方にも、より訴求しやすくなるとのことです。なお、「みらいII」の完成および引き渡しは、2026年11月を予定しています。

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