
<SkyレディスABC杯 2日目◇8日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6675ヤード・パー72>
2016、19年大会の覇者、仲宗根澄香はトータル3アンダーの5位で決勝ラウンドに進んだ。4位から出て、3バーディ・4ボギーの「73 」とスコアを1つ落とした苦しい一日。「残念な気持ちでいっぱい。もっといいプレーができると思うのに…。もどかしかったですね」。33歳のベテランは最終18番パー5をバーディで締めても表情は硬かった。
この大会には特別な気持ちで臨んでいる。特別協賛のSky株式会社と2020年3月に所属契約を結んだホステスプロ。第2回リランキング36位で、同週開催のレギュラーツアー「スタンレーレディスホンダ」に出場できる資格は持っていたが、迷うことなくステップを選んだ。
「(Skyの)大浦社長には『スタンレーに出てもいいよ』と言われましたが、本当にお世話になっているし、自分が出たかった。いいプレーをして恩返しがしたいです」。レギュラーが主戦場だった昨年も出場し、コロナ禍で20年と統合された21年も初のシード争いを演じるなか1試合だけ出場したステップが、この試合だった。
同社は今季からレギュラーにも進出し、5月の「Sky RKBレディス」の冠スポンサーとなった。この試合で仲宗根は予選落ち。「レギュラーもステップもやっていただけて、本当にありがたい。今度こそという気持ちです」。当初は一人だった所属選手も荒木優奈、永田加奈恵、アマチュアの鳥居さくらが加わり4人になった。永田、鳥居は予選を通過できず、荒木はスタンレーに出場している。最後のトリデとしての責任はズシリと重いが、ベテランはその重圧こそが力になるという。
「頑張りたいという気持ちがあると、辛いときも我慢できる。ホステスプロという気持ちが、いいプレーを引き出せると思っています」
19年大会の2日目には5連続を含む10バーディを奪い、「62」のビッグスコアで29位から首位に浮上した。最終日も「66」をマーク。2位に7打差をつける圧勝だった。21年からステップ唯一の4日間競技となった大会は、まだ前半が終わったばかり。残り2日。3打差をひっくり返す時間はたっぷり残っている。(文・臼杵孝志)