
2025年10月5日に静岡県の陸上自衛隊富士駐屯地で開催された富士学校・富士駐屯地開設記念行事において、25式偵察警戒車が訓練展示に登場しました。従来型の87式偵察警戒車との相違点はどこでしょうか。
特徴は車体後部の伸縮式マストとアンテナドーム
陸上自衛隊が導入を開始したばかりの最新の戦闘車両「25式偵察警戒車」が、このたび静岡県の富士駐屯地で開催された富士学校開設71周年記念行事で披露されました。
25式偵察警戒車は、これまで「共通戦術装輪車(偵察戦闘型)」と呼ばれていた車両で、既存の87式偵察警戒車の後継になります。16式機動戦闘車のコンポーネントを流用した8輪駆動の車体に、30mm機関砲を備えた2人乗り砲塔を組み合わせています。
車体サイズは全長約8.7m、全幅3.0m、全高2.9m、重量は約26tで、乗員は5名。車体の後部には伸縮式の監視用センサーや衛星通信システム用のドームを搭載していますが、これらで敵情を収集し、獲得した情報を味方部隊と即時共有することが可能です。
すでに研究開発は終了しており、2025(令和7)年度予算で量産型6両の調達が盛り込まれています。金額は91億円のため、単純計算では1両あたり約15.2億円になります。また防衛省は今年8月下旬に発表した2026(令和8)年度予算の概算要求でも18両を279億円で要求しています。
配備先は全国の偵察隊や偵察戦闘大隊などで、87式偵察警戒車が111両調達・生産されていることから、25式偵察警戒車もほぼ同数の導入が計画されていると考えられます。
今回の富士学校・富士駐屯地開設71周年記念行事では、訓練展示に出てきただけで、その後の装備品展示で他の車両とともに並べられることはありませんでしたが、配備が進めば各地の記念行事で見ることができるようになるでしょう。
また、今回の車体は試作車だったため、色も濃緑色の単色塗装でしたが、量産型は他の陸自戦闘車両と同様に緑と茶の2色迷彩が施されるかもしれません。
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