高校1年生の“ナショチ”廣吉優梨菜が日本女子OPローアマ受賞 最終組で感じたプロの執念「目指す場所が分かった」

<日本女子オープン 最終日◇5日◇チェリーヒルズゴルフクラブ(兵庫県)◇6616ヤード・パー72>

アマチュアとして大会史上2人目となる最終日最終組でスタートした15歳の廣吉優梨菜(ひろよし・ゆりな/福岡第一高1年)は、最終18番で4メートルのバーディパットを決めると、両手を挙げてガッツポーズ。これを決めても、同組の堀琴音には4打届かない。だが「きょうはショットが良くなくて苦しい一日。最後はバーディで良かった」という気持ちを、体全体で表現した。
ツアー史上9人目のアマチュア優勝がかかる最終日だったが、不思議とあまり緊張はなかった。思いきりのいいスイングもそのまま。堂々とした戦いぶりだった。1番は8メートルをねじ込んでのバーディ。幸先よく飛び出したが、その後はなかなか2打目以降でチャンスを作れない時間が続いた。

「右に行っていたショットが試合中に戻るかなと思ったけど、うまくいかなかった。ショットの状態を上げることができなかった」。本人は「意識していなかった」というが、この大舞台で上位でプレーしてきた反動は、「体力もまだまだ。精度も落ちました」と、疲れとして現れていたことも感じ取っていた。

15歳218日での大会史上最年少優勝、9年ぶりのアマチュア選手による大会制覇、日本人選手のツアー最年少優勝記録…。この大会では数々の快挙達成がかかっていた。ただ、本人にとっては「いい経験ができた」ということこそが財産。「優勝を一番間近で見ることができました。目指している場所が分かった」。その場所こそ、「今は出られてうれしいけど、いつか日本女子オープンで優勝したい」という“日本一の座”だ。

今年、大会を主催する日本ゴルフ協会(JGA)が選出するナショナルチーム入り。7人いるメンバーのうち、岩永杏奈、長澤愛羅、新地真美夏はシンガポールでの「世界女子アマチュアチーム選手権」に出場したこともあり、同チームからの出場者は廣吉ひとりだった。最終予選会で一度は敗退しながら、直前で繰り上がって出場が決定。慌ただしく迎えた本戦ということもあり、「こんなにいいところで終われるとは思わなかった」というのが本音だ。

リードが広がると、最後は「追いつけないのが分かっていたので、応援していました」と最終組で一緒にプレーした堀に、心のなかでエールを送っていたという。そして「耐えるところは耐えて、微妙なパーパットもしっかり決める。4日間60台をそろえてすごいな」と、その姿から“プロの執念”を感じることもできた。いつか自分がその立場になれる日を信じて、これからも精進を続けていく。

今後は「富士通レディース」(17~19日/千葉・東急セブンハンドレッドC)、「大王製紙エリエールレディス」(11月20~23日/愛媛・エリエールGC松山)の主催者推薦選考会(マンデートーナメント)に出場することは決まっている。こういったひとつひとつの経験が、15歳をさらに成長させる。

「もったいない一打もあったので、反省したい」。それでも3位になり、アマチュアにとっての日本タイトルのひとつ「日本女子オープン ローアマ」に輝いた。目指す場所に到達した時、きょう以上の渾身のガッツポーズを、大観衆の前で披露してくれるはずだ。(文・間宮輝憲)

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