
<住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 2日目◇20日◇新南愛知カントリークラブ 美浜コース(愛知県)◇6600ヤード・パー72>
予選落ちもないが、優勝争いにも絡めない。不快指数が跳ね上がるようなゴルフで猛暑の夏を過ごしてきた佐久間朱莉が、V戦線にようやく上がってきた。7バーディ・1ボギーの「66」で回り、トータル9アンダー。首位と1打差の3位で最終日に向かう女王候補は、満足そうにラウンドを振り返った。
「こんなによかったのは何カ月ぶりだろう。やっとこの位置に立てることができてうれしい。ギャラリーさんも多いのでワクワクしています」
前半で2バーディ・1ボギーと1つ伸ばし、後半にギアを入れた。10番で3メートルを入れ、12番パー5は4メートル、13番は3メートルを沈めた。インで奪った5つのバーディのうち、最も短かったバーディパットは15番パー5の2メートル。入れごろ外しごろの3~4メートルを「微妙な距離だったけどしっかり決めることができました」と沈め、満足度も高かった。
優勝争いは、首位と2打差の3位から最終日を出て、1打差3位で2週連続Vを逃した7月「資生堂・JALレディス」以来、10試合ぶり。「やっと…」の言葉にも実感がこもっていた。
4月「KKT杯バンテリンレディス」で念願の初優勝を果たし、5月に2勝目、6月に3勝目を挙げた。2021年6月のプロテスト合格から初優勝までは5年を要したが、そこからはトントン拍子。初日から首位を守る完全優勝で2勝目をマークした「ブリヂストンレディス」で初めて立った、メルセデス・ランキング1位の座は誰にも渡していない。
「ひとつでも多く勝てたら気持ち的にはすごくラクになる。でも、そこまで考えずに、楽しんでプレーしたい。ロースコアの争いになるので、微妙な距離をみんなよりいかに多く決めることができるかが、カギになると思います」
前週までで奪った今季バーディ数は303個で1位。今週も2ラウンドで12個を上積みしている。バーディ合戦は望むところだ。初優勝だった今季の目標を早々に達成した時点で、年間女王を新たなゴールに定めた。戴冠に大きく前進する4勝目。つかんだチャンスは逃さない。(文・臼杵孝志)