河本結は『全盛期の智恵さんが見えた』 有村智恵が出産から復帰3試合目でメジャー予選通過「ひとりのゴルフじゃない」

<ソニー 日本女子プロ選手権 3日目◇13日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6840ヤード・パー72>

昨年4月に双子の男児を出産し、今年4月におよそ2年ぶりにツアー復帰。ツアー通算14勝の有村智恵がメジャー大会で、復帰後3試合目にして初めて予選通過を決めた。「予選通過? そんなんで納得しないですよ」と笑わせてから、「ウソです。めっちゃうれしかったです」と喜びを話した。
3日目は順延した第2ラウンドの後半8番グリーンから再開。トータル2オーバー・40位タイで決勝に進んだ。「ホッとはしなかったですね。ショットの調子が悪かったので、このままじゃヤバいっていう焦りのほうが勝っていました」。およそ2時間後にスタートする第3ラウンドに向けて早々と練習場で球を打つと、ラスト2球で気づきを得た。

3月「ヤマハレディースオープン葛城」以来の出場で、「振ることをやってきた。手の力感を強く、体を大きく使って打っていた」をテーマに取り組んできた。「思いっきり手の力を抜いて、クラブを走らせて振ったらタイミングが合った」。持ち味とするショット力を取り戻し、第3ラウンドは3バーディ・2ボギーの「71」。連日のアンダーパーで、トータル1オーバー・24位タイに浮上した。

同組で回った河本結は、「智恵さん、かっこいいです。体があんなに戻っているのがすごいです。全盛期の智恵さんが見えるくらい、キレが出ていました。言わないけれど、相当な努力をしたんだろうなと思います」と絶賛。産後1年とは思えない体の動きに目を見張り、「私たちがプロを目指すきっかけをくださった世代の方。憧れの選手でもあったので、ひさしぶりに一緒に回れてうれしかったです」。プレー中は一緒にフェアウェイを歩き、会話を弾ませる姿も見られた。

ヘッドスピードは「そんなには戻っていない」としながら、飛距離は「10ヤード落ちくらい」とドライバーのキャリーは220ヤードほど出るようになった。長いクラブの球が上がらないことが難点だったが、アイアンを『RMX DD-1』の刻印があるヤマハの未発表アイアンに替えるなど、クラブにも調整を施した。「球を簡単に上げたいという悩みをクラブが解決してくれた。見え方は変わらないけれど抜けが良くなりました」と話す。

家族のサポートを借りながら、8月からは1日3時間を練習とトレーニングに使うことができた。「歩き回るようになって、意思も強くなってきている。目が離せなくなってきました」と母親としてハードな日々。今週は子どもたちを家族に預けた。「この予選通過を“自分たちも頑張ってきた甲斐があった、報われた気がしてすごくうれしい”みたいな感じで言ってくれた。本当にひとりのゴルフじゃないんだなっていうのは感じてます」と感謝の気持ちを伝える。

「好き」という名匠・井上誠一が設計したコースを、「自分の経験値を駆使して」戦った。あと18ホール。「今週はゴルフの神髄をみている。“あんな気持ちで打たなきゃよかった”みたいな一打がないように、できるだけ全部に気持ちを込めて頑張りたい」と力強い眼差しで見据えた。(文・笠井あかり)

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