深さ3m超のバンカーに入れて“よしっ” 首位発進の柏原明日架が向き合う課題

<ゴルフ5レディス 2日目◇6日◇ゴルフ5カントリー オークビレッヂ(千葉県)◇6505ヤード・パー72>

グリーン面と3メートル以上の高低差のあるガードバンカーには、誰も入れたくはないだろう。18番パー4のグリーン左サイドには、その規模のバンカーがある。この日はグリーン左奥にピンが切られ、そのバンカーにつかまって脱出するのに複数回を要し、スコアを落とす選手もいたほどだった。
しかし、柏原明日架は違った。ボギーなしの8バーディで迎えた最終18番。ピンまで165ヤードの2打目を6番ユーティリティで打つと、グリーン左のバンカー方向に飛び、そのまま砂に消えた。だが、キャディを務めた森守洋コーチは、打ち出した瞬間、心の中で「よしっ」と思い、柏原自身も「左のミスはOK」と難度の高いバンカーにつかまろうとも、涼しい顔をしてグリーンに向かっていた。

6年ぶりに優勝(通算3勝目)を挙げた「NEC軽井沢72ゴルフ」の時から、悪癖と向き合う取り組みは始まっていた。柏原の悪癖は左にハザードや行ってはいけないゾーンがあると、フェードヒッターにも関わらず右に打ち出してしまうことだ。

フェードヒッターは本来、ターゲットより左に打ち出して、右回転で目標に向かうことでチャンスにつく。しかし柏原は、左に障害物があると、それに反応して右に打ち出していた。

18番はまさに課題のシチュエーションだった。「今までだと悪い癖が出て右にペラっていたと思います。だけど、しっかり左に打ち出せました。ボールのライがツマ先上がりだったこともあり、狙い通りのフェードはしませんでしたが、左に打ち出せたことはよかった」。そのことが分かっているから森コーチは喜び、柏原もこの一打に合格点をつけた。

今季サンドセーブ率1位の柏原にとって、深いバンカーもたやすいもの。56度ウェッジで1メートルに寄せてしっかりパーセーブをして、「64」のラウンドを締めくくった。

この日のラウンドを振り返ると、「取り組んでいることができた回数が、ここ数試合の中では多かった。かなり近い距離のバーディチャンスにつけることができていました」。前半5番からの5連続バーディを含む8バーディには、納得のいく要素が多かった。6年ぶりに優勝したときは「パットが入ったから」とショットの手応えはなかったが、この日は違う内容でスコアを作れた。

「もっと上にいくため」の課題への取り組み。今週は年に一度の森コーチがキャディを務める中で、しっかり向き合った結果だ。「今日は3回くらいできなかったので、あしたは完璧にできるように」。父・武道さんを含めてコーチ2人体制で向き合う課題をクリアできれば、優勝争いの回数も増やせる。それを裏付けるような首位発進。最終日は“完璧”にこなして、4勝目を手繰り寄せたい。(文・小高拓)

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