岩井姉妹は双子でもスイングが「まったく違う」 明愛は右、千怜は左主体のスイングだった!【プロコーチが解説】

今季から米国女子ツアーを主戦場としている岩井明愛・千怜姉妹。2人は身長も体重もほとんと同じだが、「スイングはまったく違う」とプロコーチの大西翔太は話す。一体どこが違うのか?
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岩井姉妹は身長も体重もほぼ同じですが、スイングのスタイルはまったく異なります。

まず妹の千怜選手は、左へしっかり振り抜いていくタイプのフェードヒッターです。フェースをシャットにしてバックスイングし、トップの形をそのまま保ちつつ、強く左へ振っていきます。

アームローテーションも少なく、右ヒザが左に寄っていく動きも見られます。千怜選手のようなフェードヒッターは右足に体重が残ると逆球が出やすい。右ヒザを左に寄せることで、左股関節を支点に体を回せるのです。まさに「左サイド主導」のスイングで、全身を使ってフェードを打ちにいっています。

一方、姉の明愛選手は、右サイドを使ったスイングが特徴です。クラブフェースの開閉を積極的に活用し、ややオープンフェース気味に見えるトップから、ダウンスイングでは両ヒザを曲げながら、右サイドに頭を残しています。右肩が突っ込まないように上半身を回しているので、きれいなインサイド・アウト軌道になっていますね。いわゆる「残して打つ」タイプ。球をややドローっぽくつかまえていく印象です。

このように、双子であっても同じスイングをさせないというのは、とても興味深いアプローチです。2人とも出力の出し方が違い、それを個性として生かしています。型にはめるのではなく、それぞれに合ったスタイルを尊重している点は、コーチ陣の指導力の高さを感じさせます。

■岩井明愛
いわい・あきえ/ 2002年生まれ、埼玉県出身。23、24年と2年連続で年間3勝を挙げて、国内女子ツアー通算6勝。平均飛距離は2年連続で257ヤード台に乗せた。今季から米国女子ツアーを主戦場としている。Honda所属。

■岩井千怜
いわい・ちさと/ 2002年生まれ、埼玉県出身。日本ツアーでは22年から3年連続で複数回優勝を記録。日本勢初の開幕戦連覇を達成するなど通算8勝。25年は姉妹で米国女子ツアーに参戦し、「リビエラマヤオープン」で米ツアー初優勝を挙げた。Honda所属。

■解説:大西翔太
おおにし・しょうた/1992年生まれ。千葉県出身。PGAティーチングプロA級を取得。2015年から青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務めて、5勝を挙げることに貢献。理論的なレッスンでアマチュアにも人気。

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