休日に運転すると渋滞が多い気がします。「サンデードライバー」が原因でしょうか。うまく回避する方法はあるのでしょうか。

同じ道、同じくらいの交通量の道路を走っていても、平日よりも土休日のほうがはるかに全体の流れが鈍いことがあります。いわゆる「サンデードライバー」が増えるせいだという説ですが、これは果たして本当なのでしょうか。

「運転に慣れているかどうか」だけが原因ではなかった

 筆者(松田義人:ライター・編集者)は、平日・土休日を問わずクルマを運転するのですが、同じ道、同じくらいの交通量の道路を走っていても、平日よりも土休日のほうがはるかに全体の流れが鈍く、結果的に軽い渋滞を起こすことが多いように感じています。いわゆる「サンデードライバー」が土休日に増えるせいだという説ですが、これは果たして本当なのでしょうか。

 交通心理士で近畿大学物理工学部准教授の島崎 敢先生に聞いてみると、先生は個人的な経験からも「土休日は運転に不慣れな人が走るから渋滞する」と解釈をしていると言います。

「この説については、私の経験からしても、かなり当てはまる部分があります。ただ、最初に触れておきたいのが『プロのドライバー』といわゆる『サンデードライバー』の大きな違いは、単に『運転に慣れているかどうか』だけではありません」

 こう話す島崎先生。それぞれを詳しく解説してくれました。

「平日・休日を問わずハンドルを握る『プロのドライバー』の多くは、決まったルートを繰り返し走っているため、どの地点で渋滞が起きやすいか、どの道を避けたほうがいいかなど、現場の感覚をもっています。一方で『サンデードライバー』は、その日初めて通るような道を走ることも多く、土地勘も少ない。もちろん、運転そのものに慣れていないケースもあるため、速度が不安定だったり、必要以上にブレーキを踏んだりと、結果的に全体の流れを乱してしまうことがあるように思います」(島崎先生)

 さらに、「プロのドライバー」といわゆる「サンデードライバー」には、「運転中の状況の違い」もあると指摘します。

「『プロのドライバー』は基本的にひとりで黙々と走ることが多いですが、いわゆる『サンデードライバー』の場合、家族や友人と一緒に乗っていることが多く、車内での会話や急なトイレのリクエストなど、注意が散漫になる要素が多くなります。これは心理的な負荷の面でも大きな違いだと言えます」

「週末の道路の混み方」の特徴&効率の良い移動術とは?

 また、過去にトラックドライバーとして全国を走っていた島崎先生の経験では、「週末の道路の混み方」には特徴があるとも。

「土日になると高速道路や幹線道路が非常に混雑しますが、その理由のひとつは『わかりやすい道』に交通が集中するからです。平日は、『プロのドライバー』たちが裏道や抜け道を使って混雑を避けているのに対し、週末はナビが示す『メインルート』しか知らない人が多いため、結果的にそこへクルマが集中します。実際、県道レベルの道になると、土日に限ってガラガラということは珍しくありません」

 なるほど、こうした走る道路の認識の差も道が混む理由でもありそうです。

 それでも、どうしても土休日にクルマを使ってどこかに移動しなければいけないことは大いにあります。いわゆる「サンデードライバー」の増加で発生する渋滞を避ける場合のアドバイスももらいました。

「当たり前のことですが、とにかく早く出発するというのは非常に有効な手段です。土休日の朝は、多くの人がゆっくり起きるため、実は1週間のうちで、もっとも道路が空いている時間帯のひとつです。私自身も『週末にこそ、早起きして朝のうちに移動を済ませる』ということを心がけています。家族にはあまり喜ばれませんが、その日を有効に使えるのでオススメです」

「あとは、出かける方向ですね。どうしてもレジャー向きのエリアに人が集中しますので、行き先がみんなと同じ方向なら、ある程度の渋滞は避けられないと考えたほうが良いでしょう。とはいえ、移動手段は車だけではありません。鉄道やバスなども選択肢として意識しておくと、気持ちに余裕が出るかもしれませんよ」

 総じて考えれば、やはり「土休日は運転に不慣れな人が走るから渋滞する」というのは本当のようでした。ただし、島崎先生のアドバイス通り、それらを見越して行動することで、その渋滞をできる限り避けることもできそうです。

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