米国の航空会社元CEO 複数の詐欺行為でトンデモない刑期を宣告される「もはや組織犯罪に匹敵」

流石にアメリカでも珍し事案らしい。

110件の刑事訴因って多すぎ!

 アメリカ領グアム連邦裁判所は2025年6月11日、元ハンセン・ヘリコプターズ社長兼CEOのジョン・D・ウォーカー被告に対し、共謀、通信詐欺、マネーロンダリング、賄賂、航空機記録の偽造など110件の刑事訴因で有罪判決を言い渡し、禁錮33年9か月の刑を宣告しました。

 アメリカにおいて、詐欺や汚職事件で100件以上の訴因が認定されるのは極めてまれで、通常は重要事件でも10件程度が一般的です。

 ウォーカー被告は自身が経営するハンセン・ヘリコプターズにおいて、損傷したヘリコプターの運用のため偽造文書を作成したほか、危険な飛行計画を立案し、重傷者や死亡者を出したことから、2022年9月より拘留されています。

 同社は太平洋地域でのマグロ漁に向けて、50機のヒューズ369型ヘリコプターを運用していました。しかし、コスト削減や利益拡大を目的に、偽造航空機部品の使用や識別プレートのすり替えを常態的に行い、複数のペーパーカンパニー名義で違法に改造されたヘリコプターをFAA(連邦航空局)の監視の目を逃れて運用するなど、常軌を逸した経営が行われていました。

 さらに運用や整備面でも管理がずさんで、無免許のパイロットや整備士を雇用し、事故が多発。最大で30件の墜落事故が発生し、9名が命を落としています。

 禁錮33年9か月という刑期は、殺人や重大な組織犯罪に匹敵する重さとされます。詐欺事件ではありますが、内容が航空業界の安全に深く関わるものであったため、重い判決が下されたとみられています。

 ウォーカー被告は現在60歳です。そのため、同被告が残りの人生を連邦刑務所で過ごす可能性が高いと予想されています。法改正により刑期中の仮釈放は非常に困難な状況にあります。

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