
男性にも更年期があることは知られつつあるが、自分は無関係だと思っていないだろうか。「男性ホルモンの『テストステロン』が減って体や心に不調をきたす男性更年期症状は、誰にでも起こります」と、話すのは男性更年期治療に積極的に取り組んでいる平澤精一先生。予兆はだるさや朝勃ち回数の減少などだという。これを年のせいと放置しないほうがいい。
「テストステロンは別名『社会性ホルモン』。筋肉や骨が弱る、太りやすくなるなど体へ悪影響が出るだけでなく、ゴルフをおっくうに感じてやめてしまったり、人と会う気力が薄れることも。仕事にも行けず、慢性体調不良を抱えて家で引きこもるケースもあります」
男性更年期障害の主な原因は、男性ホルモンのテストステロンの中でも活性的な「遊離テストステロン」が減ることで起きる。
「テストステロンは、脳の視床下部にある下垂体の調整のもと、主に精巣で産生されます。加齢により命令を出す下垂体、あるいは精巣の機能が衰えると、遊離テストステロンの分泌量が減少するのです」
発症する人と、一生無縁な人の差はどこにあるのだろうか。
「減少スピードが緩やかだと症状は出にくく、一気に減ると発症しやすい傾向があります。ストレスがかかるとテストステロンを消耗するため、強いストレスにさらされた人は30代で症状が出ることもあります」
テストステロンには、筋肉や骨の成長を促したり、内臓脂肪の増加を抑制したり、性欲を増強する役割がある。
「テストステロンの分泌量が減ると、筋肉量が落ちる一方で内臓脂肪も減るため、動脈硬化も進行しやすくなります。また脳がいくら命令を出しても精巣がそれに応えられず、脳が混乱する影響や、自律神経も乱れるため、眠れない、イライラする、やる気が出ないなど、メンタル面も不安定になります」
遊離テストステロンがガクリと減少すれば、細い手足にビール腹、セックスにもゴルフにも意欲が出ない、枯れて疲れたオヤジ一直線だ。そうならないためにはどうしたらいいのか。好きなゴルフを長く続けるための対策を紹介する。
■「セックス・ミネラル」の異名を持つ亜鉛を摂ろう
亜鉛不足は、倦怠感を引き起こし気力低下に直結。また、亜鉛はテストステロンの生成をサポートしているともいわれる。牡蠣やホタテなどの貝類、豚レバーに豊富なので、積極的に摂取。特に牡蠣の燻製は、含有量が多くおすすめだ!
■睡眠時間確保を最優先する
テストステロンは一日のうち、睡眠中に最も多く分泌される。ひと晩徹夜すればガクンとテストステロン値は下がるし、7時間以上寝る人は、テストステロン値が高いというデータも上がっている。少なくとも7時間は寝ることを、日々の最重要課題に位置づけよう。
【解説】
平澤精一
ひらさわ・せいいち/マイシティクリニック総院長。日本メンズヘルス医学会所属。日本医科大学を卒業後、同付属病院勤務などを経て1992年マイシティクリニックを開業。男性更年期治療や高齢者の健康維持に積極的に取り組んでいる。『50歳をすぎて「最近、気力・体力が落ちた」と思ったら読む本』(フォレスト出版)など著書多数。
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