全米女子OP前年覇者・笹生優花が、『S20C』でなく『S25C』の軟鉄鍛造アイアンを使用するのはなぜ?

昨年の「全米女子オープン」で大会2勝目を飾り、ディフェンディングチャンピオンとして連覇に挑む笹生優花。ハードヒッターである彼女のセッティングを、クラブフィッターの吉川仁氏が分析。その詳細をレポートする。
ドライバーは『エリート◆◆◆』(9度)に『IMIDE AND SUNSプロト5X』シャフトを挿して使用。ヘッドスピード45m/s以上は必要な組み合わせという。

「浅重心ヘッドでスピンコントロールがしやすく、重心距離が短いので操作性も高いです。このオーダーメイドシャフトは、凹凸がなく選手それぞれに合わせたデザインができ、おそらく手元・中調子で、先端は動かないはず。切り返しでもタイミングが取りやすく、ヘッドとの相性がいいですね」

3Wは『エリート』(15度)に『ディアマナGT60S』シャフトを採用。ティショットにも使える組み合わせで使用している。

「こちらもスピン量過多を抑えられるヘッドを使用。シャフトは、ハリのある中元シャフトでコントロール重視でしょう。重心距離が短いヘッドと合わせて、弾道をコントロールする意図が見られますね」

4Uの『APEX UW』(19度)は、1W・3Wとは違う性質を備える。「重心深度が深めで、弾道高さが出しやすい。ダウンブロー傾向にある笹生プロなので、高さが出て着地角度が高まるヘッドをチョイスしたのだと思います。5Uの『パラダイム Aiスモーク』も同様の意図だと思います」。

4I~9Iで使用するのは、『APEX CB』ヘッドに『N.S.PROプロト』シャフトを使用。シャープな顔の軟鉄鍛造アイアンを採用している。

「軟鉄のS25Cを使用しており、炭素含有量がやや少なめでマイルドな打感のS20Cと比べて、ややソリッドな打感が特徴。柔らかさに加えて球を押し込む打感で、距離感を出しやすいですね。タングステンを装着させて小ぶりヘッドながら球が上がりやすいはず。シャフトはウッド系同様に先端剛性は高めだと思います」

PWを抜いて46度で『JAWS フォージド』、50・56・60度で『OPUS』を使用しているのも特徴的。「『JAWS フォージド』は、リーディングエッジがストレートで方向性を出しやすく、フェースコントロールしやすいモデルですね。『OPUS』は、やや丸みのあるフェースでやさしさを重視したのでしょう。スピンがかかりやすい溝も選んだ理由だと思います」。

ハードヒッターながら、1W・3Wで浅重心ヘッドで飛距離重視、UTは弾道高さで止めやすいヘッドをチョイス。アイアン&ウェッジはタテ距離を重視するなど役割を明確に分けた実戦的なセッティングといえる。

【笹生優花の開幕戦セッティング】
1W:キャロウェイ エリート◆◆◆(9度/IMIDE AND SUNSプロト5X)
3W:キャロウェイ エリート(15度/ディアマナGT60S)
4U:キャロウェイ APEX UW(19度)
5U:キャロウェイ パラダイム Aiスモーク(24度)
4I~9I:キャロウェイ APEX CB(N.S.PROプロト)
46度:キャロウェイ JAWS フォージド(N.S.PRO モーダス3 ツアー 105S)
50・56・60度:キャロウェイ OPUS(N.S.PRO モーダス3 ツアー 105S)
PT:オデッセイ Ai-ONE MILLED THREE T-DB
BALL:キャロウェイ クロムツアーX
※コースによって5Uか4Iを選択

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