“サロンシップ・ゴルフ”で自己最高位? 葭葉ルミは充実のメジャー初戦に「シードも獲れちゃう?」

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 最終日◇11日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>

「こういうセッティングでゴルフができて…、いい仕事ですよね。最高だなぁ」
ツアー通算1勝の32歳・葭葉ルミは、最後まで『優勝』を意識した今季メジャー初戦の4日間を振り返り、しみじみと、充実の表情でそう話す。連日14フィートを超える高速グリーンも「むっちゃキレイで、大好き。キレイだから読みやすい」とやりがいを感じたという。

2打ビハインドで迎えた最終18番パー5は、2オンながらグリーン手前にちょこんと乗っただけという状況。ただ、その視界には段を上った先の、グリーン奥約20メートルのカップしか映っていなかった。「イーグルを取ったら追いつくという気持ちがあったので、しっかり狙いました」。距離感は完璧。ただわずかに逸れ、バーディに終わった。最終的にトータル6アンダーの単独3位。それでも10度目の出場ながら、これまでの最高順位が41位(2014年)と苦しんできた大会で、初めてトップ3の座を射止めた。

もちろん「優勝できればもっと良かった」という気持ちは残る。ただ、ショット不調に悩まされてきた最近の状態を考えると、なおさら満足な結果だ。「途中、ショットのことを考え過ぎだなと思って、ノビノビやろうって決めたんです…湿布みたいに。“サロンシップ”だ!とか話してたら、なんか良くなってきたんです」。大会を特別協賛した久光製薬の看板商品にかけた“絶口調トーク”で、しっかりと記者の笑いも引き出した。

収穫は大きかった。この結果、メルセデス・ポイントを180pt加算。今季の累計を260.29ptまで伸ばし、リランキングも3位まで浮上した。「後半戦に出られちゃうかも~」と上機嫌だったが、これにより「ニチレイレディス」(6月20~22日)後に行われる第1回リランキングで、夏場のフル出場権を獲得することは確実な状況だ。それどころか、20-21年シーズンに手放したシード権獲得にも大きく前進。「180点は高い! シードも獲れちゃうじゃないですか?」。さらに、その表情も明るくなる。

「こんなに早くトップ5に入れると思ってなかった」とも話す。それは、「(ツアーの)レベルがどんどん上がっていて、バーディを取らないといけないセッティングばかりになってきた」ということを感じていたから。それでも、優勝した申ジエ(韓国)、2位の藤田さいきをはじめ、今回のトップ5がすべて30歳以上と、やはりメジャーでは経験値も求められる。「こういう難しいセッティングでなんとか生き残って上位にいけたら、と思っていたので、良かったです」。狙い通りの結果でもあった。

14番パー4ではグリーン奥、ニアサイドからのアプローチがピンに直撃。「普通は入らないですよね? めっちゃラッキーでした」というチップ・イン・バーディでも会場を沸かせた。「上出来です。目標を変えます。また良かった時に聞きに来てください。練り直しておきますから」。そこには16年の「ニッポンハムレディス」以来、9年ぶりとなる優勝が含まれるかもしれない。

「きょうは(サロンシップを)足に貼ります。4日間、疲れました」とニッコリ。今後、さらにその成績がグ~んと“伸びる”きっかけになっても不思議ではない戦いぶりだった。(文・間宮輝憲)

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