パターは7本持ち込み吟味 「あえて難しいものを」申ジエが明かしたクラブ選びの“矜持”【勝者のギア】

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 最終日◇11日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>

国内女子メジャー初戦は、藤田さいきとのプレーオフの末に申ジエ(韓国)が優勝を手にした。ジエは、大会最年長優勝、そして大会2勝目。さらには、ツアー通算29勝目となり、永久シード獲得に王手をかけた。
クラブ契約フリーのレジェンドは、今季ウェッジがタイトリスト『ボーケイSM10』に替わったが、それ以外は大きな変更はなし。ただしパターに関しては“猫の目状態”で試合ごとに変更している。今週使用したスコッティ・キャメロンの『スーパーラットll』は、キャディ曰く「かなり昔、使用していたものを引っ張り出したと聞きました」というものだ。このローテションの理由についてジエは、優勝会見で以下のように話した。

「グリーンコンディションをチェックしながら、一番合うクラブを持って行きます。クラブをいろいろ替えて変化を求めるわけじゃなく、天気の変化によりコース状況もいろいろ変わるので。私はパターはコンディションに合わせて替えることも多いし、安心するクラブを選んでいます」

今回のコースは、連日14フィートを超える“超高速グリーン”で、大会3日目の土曜日は悪天候の予報もだされていた。そのため、「今週は多かったです。パターは7本ぐらい持ってきました」。さらに苦笑いを浮かべながら、こんな事情も明かす。

「(持ち込んだ数が)多いのは、最近あまり結果を出せずに不安もあったからです。来週には3本ぐらいに減らせればとも思っています。多くのパターで悩んでるのは、それぞれの(パターに)良い点があって、選びきれないという事情もある。今回いい思い出を作ったクラブもありますし、多く持つより、少なく持てるように今週から考えていきます」

また今回、あえて古いブレード型を選んだ理由について話す時には、世界ランク1位にも立ったことがあるジエの“矜持”がうかがえた。

「もともと長い期間、マレット型を使っていたんですけど、4~5年前からブレードタイプに替えました。大きいヘッド(マレット)はイメージが出やすいけど、もう少し前に強く転がしたいと思いに応えるのはブレードタイプだと思う。クラブが最近やさしくなってきていますが、やさしくなりすぎると、自分の感覚が鈍感になると思うので、あえて難しいクラブを探しています。自分の感覚をもうちょっと出せるように考え、古いパターを使いました」

とはいえ、今週活躍したクラブについて問われると、「ひとつを選ぶことはできないです。全ショット頑張りました。ひとつのクラブだけでは勝てないのがメジャーだと思います」とキッパリ。経験、技術力、精神力…そういったものがつまった優勝だった。
 
【申ジエの優勝セッティング】
1W:タイトリスト GT3(9° ジ・アッタスV2 5S)
3,5W:テーラーメイド ステルスプラス(15,19° スピーダーNXブルー50S)
4,5U:テーラーメイド ステルス2レスキュー(22,25° MCH 60S)
6I~PW:キャロウェイ APEX TCB(TOUR AD 65ll S)
50,54,60°:タイトリスト ボーケイSM10(N.S.PRO 850GH S)
PT:スコッティキャメロン スーパーラットll
BALL:タイトリスト プロV1(2023年)

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