常磐線「快速」を停めて! 今はスルーの“ジャンクション駅”実現なるか 市が整備案と効果を試算

松戸市は2025年3月末、同市北部に位置するJR新松戸駅について、常磐線の快速列車を停車させるにあたっての事業効果や整備効果を公表しました。

現時点では各駅停車のみ停車

 松戸市(千葉県)は2025年3月末、同市北部に位置するJR新松戸駅について、常磐線の快速電車を停車させた場合の事業効果や整備効果を公表しました。同駅は武蔵野線との乗換駅ですが、現時点で常磐線に快速ホームはなく、地下鉄千代田線へ直通する各駅停車のみが停車します。

 市は、市内の交流拠点の一翼を担っている新松戸駅を中心とした周辺地域の活性化や魅力向上を図ることを目的に、交通利便性を高める施策として、同駅への快速停車の検討を深めたい構えです。

 快速停車にあたっては、駅構造を見直す必要があります。現在は、島式となっている各停ホームの西側を快速線が通過する配線ですが、既存ホームを上り快速用と下り各停用に切り替えたうえで快速側のみ延伸し、さらに駅の東西両側に下り快速用と上り各停用のホームをそれぞれ新設する案を、市は検討しています。同時に、武蔵野線の高架下に東口改札を設置するといいます。

 2021年にJR東日本へ調査設計を依頼したところ、駅等改良工事費は約232億円、施工期間は10年と試算されたとのこと。市は「今後も実現性等について、関係機関と協議を行いながら検討を進めたい」としています。

 では、晴れて新松戸駅への快速電車停車が実現したとすると、どのような効果が期待されるのでしょうか。市は利便性向上に伴う利用者数の増加、利用者圏域の拡大、地域・商業の活性化、定住人口の増加、地域イメージ向上などを挙げています。

 新松戸駅から都心方面などへの所要時間が減ることで、乗降者数に加え常磐線と武蔵野線、流鉄線とを乗り換える利用者が約4割増加すると試算。例えば北千住駅(東京都足立区)へは乗り換えなしで行けるようになり、所要時間も3分以上短縮される見込みです。

 市は「駅の魅力が向上することで、駅周辺の市街地開発事業等の進展への寄与も期待される」としています。

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