攻撃ヘリの新たな活用法!? ウクライナ軍が披露「むしろ空対空戦闘に使えます」エースまで誕生か?

ロシアによるウクライナ侵攻で、攻撃ヘリコプターがドローン迎撃に活用されているそうです。ただ、攻撃ヘリコプターはもともと対地攻撃がメインだったはず。空対空戦闘に向いているのはなぜなのでしょうか。

攻撃ヘリがドローン迎撃にうってつけなワケ

 2022年2月から続くロシアによるウクライナ侵攻において、無人航空機(UAV)、すなわちドローンは不可欠な戦力となっています。偵察、攻撃といった多様な任務に活用されるこれらの無人機は、戦場の様相を根本から変えつつあります。特に、低空・低速で飛行する小型ドローンは迎撃が困難であり、従来の防空システムでは十分に対処しきれない厄介な脅威として認識されるようになりました。

 このようなドローンの脅威に対抗する手段として、意外な戦力が脚光を浴びつつあります。それが攻撃ヘリコプターです。本来、対地攻撃を主目的とするこの種の航空機は、近年の対空兵器の発展に伴い脆弱性を露呈し、特にウクライナの戦闘ではその生存性の低さが大きな課題となっていました。しかし、戦争の進展に伴い新たな役割を担い得ることが示唆されています。

 2025年2月、ウクライナ軍はMi-24D「ハインド」攻撃ヘリコプターの映像を公開しました。その映像に映るMi-24の機体には19個の撃墜マークが記されており、これらはすべてドローン撃墜の戦果を示すものと考えられます。さらに、別の映像にはMi-24Dが機首部に搭載する機関砲でドローンを撃墜する様子が収められており、攻撃ヘリコプターがドローン迎撃に一定の成功を収めていることを示す興味深い証拠となっています。

 Mi-24は、攻撃ヘリコプターとしては比較的大型のため、機動性に優れているわけではありません。しかし、そもそもヘリコプターは低空・低速での運用を得意とし、旋回性も優れています。そのため、低速飛行する小型ドローンに対して搭載する機関砲で迎撃するのに向いている航空機だと言えるでしょう。

レシプロ練習機でのドローン迎撃も

 従来の防空システムは、主に高速で飛来する航空機や巡航ミサイルを迎撃する目的で設計されており、小型ドローンのような低速・低空目標に対しては効果が限定的です。この傾向は特に戦闘機において顕著です。さらに、対空ミサイルは非常に高価であり、低コストのドローンに対して使用するのは費用対効果の面で問題があります。その点、攻撃ヘリコプターの機関砲弾は安価なので、簡単に言えばコスパ良くドローンを迎撃する手段となり得るのです。

 また、ウクライナでは低速のレシプロ練習機Yak-52が対ドローン戦闘に投入されていることも判明しています。同機では後席の搭乗員がライフルを用いてドローンを撃としていると推察されますが、Mi-24Dの機関砲を用いた迎撃の方がより効果的であると考えられます。

 しかし、攻撃ヘリコプターによる対ドローン戦闘には限界が存在するのも事実です。なぜなら、Mi-24には空対空レーダーが搭載されておらず、索敵は搭乗員の目視に依存するしかないからです。そのため、小型ドローンを効率的に迎撃することは困難であるかもしれません。

 また、攻撃ヘリコプターは携帯式防空ミサイル(MANPADS)に対して極めて脆弱であり、最もドローンの脅威が高い前線近くでは活動が制限される可能性があります。そのため、主に友軍が支配する後方地域において迎撃任務を担うことになりますが、果たして高価な攻撃ヘリコプターをそのような用途に投入することが戦術的に適切なのかについては、慎重な検討が必要だと言えるでしょう。

 いずれにせよ、攻撃ヘリコプターが現代戦において新たな役割を模索しつつあることは明らかです。本来の地上部隊への近接航空支援という役割が、従来と比べて困難になりつつあるなか、ドローン迎撃という新たな用途が確立されるかどうか、今後の動向に注目したいところです。

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