マスターズに向けて視界良好! “第5のメジャー”月曜決着POはマキロイが圧勝

<ザ・プレーヤーズ選手権 最終日◇17日◇TPCソーグラス ザ・プレイヤーズ・スタジアムC(フロリダ州)◇7352ヤード・パー72>

3ホールのプレーオフが行われた月曜朝、TPCソーグラスの気温は11度。西北西から時速10mを超える強風が吹くタフなコンディションだった。
世界ランキング2位のローリー・マキロイ(北アイルランド)とJ.J.スポーン(米国)との一騎打ちは、同コースのアイランドグリーンの名物ホール、17番パー3を含む上がり3ホールのトータルで行われた。結果はマキロイがトータル1オーバー、17番パー3で池に落としトリプルボギーとしたスポーンは完敗だった。

戦績も経験も圧倒的に上だったマキロイだが、それでも前夜は眠れなかったという。雷雨による中断があった日曜日、一時はスポーンに3打リードしたが勝ちきれなかった。

「すごく残念だった。ホテルに戻ってルームサービスで食事をして…。その後は気持ちを切り替える必要があった。だから映画、“プラダを着た悪魔”を見てベッドに入った。だけど3時に起きてしまった…」と、もう一度眠ることはできなかったという。

世界で42勝を挙げているマキロイだが、一方で何度も悔しい負けも味わっている。昨年の「全米オープン」もその1つ。最終日の18番で短いパットを外して勝利を逃した。

「朝は不安だった」とプレッシャーがあったという。「だからとにかく良いスタートをすることが大事だと思った。良いスイングをすることに集中した」。大会中、マキロイのドライバーは決して安定していなかった。ファエウェイキープ率は4日間で50%(28/58)を切った。

それでも、プレーオフ1ホール目となった16番パー5では追い風の中、340ヤードを超えるビッグドライブでフェアウェイを捉えた。このティショットが勝利を引き寄せたのかもしれない。セカンドも難なくグリーンを捉えて2パットバーディ。一方、スポーンは圧されたようにティショットを右ラフに入れるとバーディを奪えなかった。

勝敗を分けたのは“アイランドグリーン”になっている名物ホール17番パー3だった。先に打ったマキロイは9番アイアンで9メートルにオン。アゲンストの風の中、スポーンは8番アイアンでピンにまっすぐ向かったが、まさかのグリーンオーバーで池を直撃した。3パットとしたマキロイがボギーとしたのに対し、スポーンは第3打も寄せきれずに「6」のトリプルボギー。マキロイは「あのショットはJJが気の毒だった。すごく良いショットだったのに風が吹かなかった」と思いやった。

負けたスポーンは「おそらく今のゴルフは僕のキャリアで最高のプレーだ。今の自分をとても誇りに思うし、自分を信じることもできるようになった」と悔しさを滲ませながらも胸を張った。

昨年はこの“第5のメジャー”プレーヤーズ選手権で大会連覇を挙げたスコッティ・シェフラー(米国)が4月のマスターズ・トーナメントも制した。「スコッティをとらえようとみな必死でプレーしている。彼のお陰で僕のプレーも上達している」と話すマキロイは “キャリア・グランドスラム”達成まであとマスターズを残すだけ。

そのマスターズまであと3週間。「3週は長すぎる。だからテキサスのどちらか、ヒューストンかアンアントニオに出てしっかりと調子を整えたい」と、11年ぶりのメジャー制覇を目指す。(文・武川玲子=米国在住)

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