“球筋迷走”から復活 20歳アマ・横山珠々奈がV争いへ「楽しみたい」

<ニトリレディス 3日目◇24日◇桂ゴルフ倶楽部(北海道)◇6651ヤード・パー72>

元ツアープロの父を持つ20歳のアマチュア・横山珠々奈が「66」と大きくスコアを伸ばし、首位と2打差のトータル8アンダー・4位タイと優勝戦線に浮上した。プロテストで3度不合格になるなど、プレッシャーのかかる試合で力を発揮できないのが悩みだったが、2週前の「NEC軽井沢72」ではベストアマ(51位)を獲得。ここで得た自信が大きな支えとなっている。
出だしの1番から4メートルのバーディパットを沈めるなど、第3ラウンドを24パットでまとめた。「2日目までパッティングが良くなかったので、3メートルぐらいをしっかり強めに打つ練習をしました。きょうは打てていたと思います」。最終18番パー4はティショットを左の林に打ち込み、4メートルのパーパットを残したが、これもしっかり沈めた。

コーチであり、キャディも務める父・健士さん(55)は1993年から2007年にかけてチャレンジツアー(現Abemaツアー)を中心に出場した元ツアープロ。現在はレッスンプロとして活動している。

「今大会の出場が決まったのが日曜日で『一人で行ってこい』と言ったんですけど、ハウスキャディがいないということで、キャディをすることになりました。軽井沢でもキャディをしたので、その分、今週はレッスンがたくさん入っていたのに、また全部キャンセルです」。愚痴っぽい言葉とは裏腹に、健士さんは娘の期待以上の活躍に目を細めた。

今年4月の「オーガスタ女子アマ」(予選落ち)に初出場。高いボールでグリーンに止めてくる海外選手のプレーに触発されたことで、自分を見失った。健士さんいわく「持ち球のドローに加えて、フェードや高い球を引き出しのひとつにすれば良かったのに、全部それでやり出した」。6月の「日本女子アマ」でも予選落ち。持ち味の“曲がらないティショット”に狂いが生じていた。

精神的なショックも大きく「プロテストに落ちた翌日も練習している子なんですけど、初めて強制的に休ませました」(健士さん)。ほんの数日だが、ゴルフから離れたことでリフレッシュ。練習再開後は球筋をドローに戻した。徐々に調子を取り戻す中で迎えた2週前のNEC軽井沢72では「曲がってもいいから思い切り振る、と決めて臨んだらかなり良かったので自信になりました」(横山)。ようやく取り戻した自信が、今大会の快進撃に繋がっている。

プロテストに向けてはパッティングとプレッシャーの中でいかに自分のプレーをするかが課題。その意味でもツアーでの優勝争いは貴重な経験だ。「緊張感を楽しみたいと思っています。この位置でプレーすることを楽しんで、自分のプレーができたらと思います」。もちろん優勝すれば、プロテストは免除。その可能性も十分に残されている。(文・田中宏治)

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