エビアンの古江彩佳みたいにロングパットを入れたい! ボールのスピード感覚と空間認識能力を養うドリルとは?

「アムンディ・エビアン選手権」の最終日、古江彩佳は14、15番でいずれも10メートル超の長いバーディパットを連続で決めて優勝争いにカムバック。最終18番パー5ではイーグルパットを決めてメジャー初優勝を手にした。
このときの古江に代表されるように、なぜツアープロは長いパットを決めることができるのか。河本結などのパッティングコーチを務める橋本真和氏は「ボールのスピード感覚や空間認識能力が大事」と話す。

「10メートルを超えたくらいからパターの重さだけでは届かなくなるので、自分で打つ感覚が必要になってきます」。実際、10メートル以上についた瞬間に入りそうなイメージは完全に消え、3パットを覚悟するゴルファーは多いのではないだろうか。

そのロングパットのタッチを合わせるうえで大事なのが、ボールが転がっていくスピードをイメージすることや、ボールとカップの位置関係を瞬時に理解する空間認識能力となる。
「ザンダー・シャウフェレのパッティングコーチが教えているドリルがあります。ボールを打ったら目を閉じて、ボールが止まったと思ったら手を上げて合図。そのとき、ボールがまだ動いていたら、スピード感覚がズレている。続けているうちに、ボールが途中から減速して、止まるときのスピードまで想像できるようになります」

ボールが転がっていくスピードをイメージして、それが実際に打ったボールの動きと合えば、タッチも合ってくるというわけだ。同じ場所から何度も打つと慣れてくるので、場所を変えながら行うと練習効果が高くなる。

ちなみに、今年の「全米プロ」と「全英オープン」を制したザンダー・シャウフェレ(米国)のパットのスコアへの貢献度を表すストローク・ゲインド・パッティングは、『0.617』で米ツアー全体6位。つまり、1ラウンド当たり0.617打をツアー平均よりも稼いでいることになる。
もう1つ、空間認識能力を養うドリルも橋本氏は教えてくれた。「ボールのところに立って、カップを目に焼き付けたら、目をつむってカップまで歩きます。ピンにぶつかったり、カップを踏まないように気を付けてください。カップの場所まで来たと思ったら目を開けます。1メートルくらいの誤差は悪くない。許容範囲内です」。これはUFOキャッチャーと同じで、回り込んで横からラインを見たり、歩測しなくても、縦距離をイメージできるようになる。

野球やサッカーなどにおいても、その場所まで正確に投げたり蹴ったりできるのは、ボールのスピード感覚があり、かつ空間把握能力が優れているためだ。橋本氏によると、この2つのドリルは大人よりも子どもの方が得意だとか。徐々に衰えていく想像力を鍛えて、ロングパットに強くなろう。

■橋本真和
はしもと・まさかず/1984年生まれ、三重県出身。日本では数少ないパッティング専門コーチ。最新機器を駆使しながら河本結、河本力、佐久間朱莉、金子駆大(こうた)などを指導している。

◇ ◇ ◇

●今年5年ぶりに優勝した河本結が、驚異的な成長を遂げたのがパッティング。現在河本のパーオンホールの平均パット数は『1.7350』で1位。昨年は『1.8263』で60位だった。関連記事【平均パット1位の河本結はグリーンによってアドレスを変えていた!】では、データを重視したパッティングへの取り組みを紹介している。

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