
巨大な筒が回るとエコってどういうこと?
搭載エンジンの燃料にも環境配慮のものを使用
ヨーロッパの航空機メーカー、エアバス社は2023年10月25日、海上輸送船団の増勢を発表、3隻を新造することを明らかにしました。 これらは、ヨーロッパとアメリカ、双方の工場で生産されたさまざまな航空機用パーツを海上輸送するために運航するもので、2026年就航の予定だとしています。
3隻は、フランスの総合企業ルイ・ドレフュス・アルマトゥールズ(LDA)が建造から所有、運航まで一貫して担うそうで、その契約も同日付で締結したとのことですが、特徴はCO2(二酸化炭素)の排出削減を目指して、6基のローターセイルを搭載しているのが特徴です。 これは風力を推進力に変えるための装置で、日本語では「円筒帆」とも呼ばれるもの。筒(ローター)状の形をした帆(セイル)であることから、このように呼ばれます。 また、エンジンも船舶用ディーゼルだけでなく、再生可能エネルギー由来のe-メタノールで駆動する多燃料エンジンと組み合わせたハイブリッド式にすることで環境負荷を低減。加えて、AIを最大限活用して、最も効率の良い風力利用が可能な航路や、悪条件を回避できる場所を選択することで、燃費に優れた航行ができるようにするそうです。 このような新機軸を備えた次世代輸送船を導入することで、現在41隻運航している大西洋横断のエアバス輸送船団は、2030年まで2023年と比べてCO2削減50%を達成するとしています。