タイガー・ウッズ(米国)の元ガールフレンド、エリカ・ハーマンさんが53ページの申立書をフロリダ州マーティン郡の裁判所に提出、今年5月に「仲裁」を進言されたが不服を申し立て、裁判を行うべきと再び提訴した。
2017年、タイガーの経営するフロリダ州のレストランの従業員だったエリカさんはタイガーと交際を開始。同時に“秘密保持契約”(NDA)に署名した。しかし、エリカさんの代理人は「性的関係を持ち、署名しなければ解雇すると言われ強要された」と主張。“セクシャルハラスメント”があったとし“秘密保持契約”(NDA)の無効を求めて、昨年10月に提訴した。しかしながらフロリダ州のエリザベス・メトガー裁判官は今年5月、「問題は裁判ではなく、私的な解決をするように」と仲裁を進言、提訴は事実上却下された。
米国では2022年12月、職場等でセクハラがあった場合、“秘義務契約”の強制力がなくなるとした法案、”SPEAK OUT ACT”が可決。また、米国議会は「セクシャル・ハラスメントおよび性的暴行に基づく請求は裁判前仲裁を経ずに訴訟提起可能」とした法案を可決している。
裁判所の進言以降、2人の間で話し合いがもたれたのかは不明。エリカさんの代理人、ベンジャミン・ホダス弁護士は「仲裁は強制されるべきものではない」と再び提訴したという。
エリカさんはタイガーと暮らしていた住居から突然追い出されたことなどから総額3000万ドル(約44億円)の損害賠償を求めている。(文・武川玲子=米国在住)