FIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023優勝後の表彰式で問題行動を起こしたスペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス会長に対して、男女問わず現役選手たちから厳しい声が寄せられている。
7月20日から今月20日までオーストラリアとニュージーランドで開催された女子W杯は、スペイン女子代表の優勝で幕を閉じた。しかし、表彰式において“悪い意味”で主役となったのは、RFEFのルビアレス会長。スペイン女子代表MFジェニファー・エルモーソの口に強引にキスをした映像がSNSで拡散され、同会長には数多くの批判が向けられている。
ベティスに所属するスペイン代表FWボルハ・イグレシアスは、25日に自身の公式X(旧ツイッター)を更新。ルビアレス会長が辞任するまで、スペイン代表でプレーしない意向を明らかにしている。
「悲しみと失望を感じている。フットボーラーとして、そして人として、今日RFEF本部で起こったこと(25日に臨時総会が開かれ、ルビアレス会長は何度も「私は辞任しない」と語った)を自分が代表するわけにはいかない。チームメイトにプレッシャーをかけ、スポットライトを当て続けることを遺憾に思う」
「スペイン代表のシャツを着ることは、僕のキャリアの中で最も素晴らしいことの一つだ。どの時点で再び選択肢に入るのか分からないけど、状況が変わり、このような行為が罰せられるようになるまでは、代表チームに戻らないという決断を下した」
「より公平で、より人道的で、まっとうなフットボールのために」
また、バロンドール受賞者であり、スペイン女子代表でエルモーソとともにプレーしたMFアレクシア・プテジャスは、自身の公式Xで「こんなことは受け入れられない。もう終わりよ。私はジェニファー・エルモーソとともにある」と連帯を示した。そして、エルモーソ自身も26日に公式X内で声明を発表。騒動の後、キスが同意の上で行われたかのような発言をしたルビアレス会長に対し、真っ向から否定するコメントを発した。
「私は弱い立場にあり、衝動に駆られた性差別的で場違いな行為の被害者だと感じた。(キスの)同意もしていない。そのような認識は完全に誤りであり、彼自身が生み出した印象操作の一部だ」
「私の意思とは別に、ルイス・ルビアレス氏の行動を正当化するような発言をするよう、継続的な圧力を受けてきたことも明言しなければならない」
「簡単に言えば、私は尊敬されていなかった。ルビアレス氏が解任されるまで、再び代表チームでプレーするつもりはない」
騒動後の会見で、自身への批判を「偽りのフェミニズム」と表現したルビアレス会長。すでに、スペイン政府が同会長の職を停止するための法的措置に動くなど大事になっており、会長職辞任への外堀が埋められつつある。また、ルビアレス会長には、国際サッカー連盟(FIFA)からさらなる厳罰が下る可能性も残されている。