環七の鬼門「大原」交差点はなぜ混むのか 日本一の事故件数 デカい 見づらい 曲がれない!

東京の杉並区と世田谷区の境に位置する「大原」交差点は、2021年に日本で最も多く人身事故が発生した交差点で、これまでも事故件数ワーストの常連となっています。その構造だけでなく、とにかく交通量が多いことが事故の多さにつながっているようです。

事故件数ワースト交差点「大原」が他の交差点と決定的に違う点

 2022年末、日本損害保険協会から「全国交通事故多発交差点マップ」が発表され、東京の杉並区と世田谷区の境に位置する「大原」交差点が、2021年に最も人身事故が発生した交差点となりました。

 大原は甲州街道(国道20号)と環七通りが交わる大きな交差点です。2021年の事故発生件数は29件。これまでもワーストの常連で、2020年の調査でもワースト1、2019年の調査ではワースト2となっています。 事故が多発する主な原因としては、甲州街道と環七はどちらも交通量が多いうえに、甲州街道の上空に首都高の高架があるため、交差点内はその支柱などで視界がさえぎられ見通しが悪いことも原因とされています。ただ、それだけではないようです。「特に環七の内回り(南行き)は、大原の手前でいつも渋滞しますね。(甲州街道の調布方面へ向かう)右折車が多すぎるんですよ」。大原交差点を日常的に通るという30代ドライバーはこう話します。 大原交差点は、他の環七の交差点とは決定的に違う点があります。それは、「環七側が平面交差」であること。環七と主要道路との交差点のほとんどは、環七側が陸橋もしくはアンダーパスで立体交差になっているのですが、ここは甲州街道の本線がアンダーパスで通過しており、環七と甲州街道の側道が地上で平面交差、その上空に首都高という構造になっています。 甲州街道のアンダーパスは、首都高の連続する橋脚をその中に収めるように建設され、1969(昭和44)年に完成しています。施工した戸田建設によると、大原交差点は当時から都内でも有数の交通量で知られ、立体交差化が急務だったそうです。

大原交差点が事故ワースト常連な理由とは?

 東京都のローカル局であるTOKYO MXのニュース番組『TOKYO MX NEWS』が交通事故鑑定人の中島博史さんの協力を得て、現地を調査したところ、環七通りの非常に多い交通量と甲州街道からの長い右折レーンについて注目。「交差点の中に入ってしまったら抜け切らなければいけないので、直進方向の信号が青に変わっても(クルマが)横切っていく。直進車にとっては、青信号になったのに交差点内で動いている右折車がいて、進行の邪魔になるので、タイミングが悪いと事故が起きる」と指摘していました。 右折の際は時間に気を配りつつ、対向車の他に歩行者や自転車も注意しなければならず、かなりの注意力と判断力が求められるようで、日本損害保険協会の公式サイトでも「運転に集中し、安全確認をしっかりする」「停止中はしっかりブレーキペダルを踏むように心がける」と呼びかけられています。 前出のドライバーによると、「環七内回りは右折待ちのクルマで、はるか手前から渋滞するので、ここは事前に左車線側へ移動して切り抜けています。ただ、甲州街道の側道は、場所によってはもっと悲惨です。こちらも右折車が多すぎて全然動かないことがある」と話します。SNSなどでも混雑しすぎていて全く曲がれないというコメントが見られ、全ての方向で右折車が多いようです。ほかにも、せめて信号を歩車分離式に、という声もありました。

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