第232話 コロナ禍で変わった?広がる副業・兼業への取り組み

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、オフィス街のカフェで投資談義を行っています。


T:冬の色が濃くなるにつれて新型コロナウイルスの感染者数が増えてきましたね。政府もGOTOキャンペーンの見直しに着手するなど、経済への影響が心配されます。

神様:ワクチン実用化への期待もあり11月の株価は堅調に推移してきました。経済活動再開の腰を折らないためにも2度目の緊急事態宣言は避けたいところです。

T:私の職場では再び在宅勤務の割合が高まりました。コロナ禍以降、働き方も大きく変わりましたね。

神様:2019年4月の働き方改革関連法が施行されて以来、私たちも働き方改革について何度も話題にしてきました。コロナ禍では多くの人・企業が働き方の変更を余儀なくされましたね。

T:私も家族で「日本の企業も働き方を変えなければ」と話したことがありました(第177話 人手不足・働き方改革…日本の企業に求められる変化)。しかしまさかこれほど大きな変化になるとは思いもしませんでした。

神様:「働き方」をめぐる現状を整理しましょう。まず、働き方改革関連法が施行されてから、副業・兼業解禁の流れが活発化しました。そして、今年3月以降の新型コロナウイルス感染拡大により、在宅勤務など、オフィスに縛られない働き方が拡大しました。一方で、残業時間が減り現金給与額が減少した人が増えているのが現状です。

T:副業や兼業をしやすい、またはせざるを得ない環境がある、ということですね。

神様:コロナ禍以前にも副業・兼業を希望する人は緩やかに増加していましたが、コロナ禍でその流れは加速していると思います。

T:大手企業でも解禁に踏み切ったところが増えていると聞きます。副業・兼業は企業側にとっても実はメリットがあって、自社の社員が社内では得られない知識やスキルを獲得できたり、優秀な人材の流出を防ぐこともできますよね。

神様:その反面、労働時間が長時間になることもあります。働き過ぎを防ぐために就業時間や健康管理などの安全に配慮することが大切です。秘密保持義務、競業避止義務、誠実義務なども注意することが必要です。厚生労働省は、今年の9月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定を発表しました。

T:この改定により、副業・兼業時の労働時間管理や健康管理についてのルールが明確化されたようです。例えば、法定労働時間、上限規制(単月100時間未満、複数月平均80時間以内)については、労働時間を通算して適用されることとし、副業・兼業をした場合の簡便な労働時間管理の方法(管理モデル)を紹介しています。こういったルールが整備されていくことで、より副業・兼業がしやすくなりますね。

神様:日本はこれから、ますます人口減少、少子高齢化によって労働人口の減少が見込まれます。今後も経済成長を実現させるためには、労働生産性の向上が喫緊の課題です。政府が副業・兼業を後押しする中では、働き方に関連する民間企業の活躍も注目したいところですね。

T:関連企業と言えば、人材派遣やクラウドソーシング、それに人材マッチングサービスを手掛ける企業ですね。ここ数か月は東京の転出が転入を上回る状況が続いているのも注目ですね。最近は地方に移住してテレワークで仕事をする人もいます。人材のマッチングと地方創生が一緒に語られることも増えてきました。場所にとらわれない多様な働き方に魅力を感じている人が増えているように思います。

神様:人生100年時代を迎え、これからの世代は若いうちから自らの希望する働き方を選べる環境を作っていくようになるでしょう。働き方に関連する企業がどのような新しいサービスを提案できるかにも注目です。

(この項終わり。次回12/16掲載予定)

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