住民サービス変化で激論=「低下」「むしろ向上」―大阪都構想

 人口約270万人の大阪市を廃止して四つの特別区に再編する「大阪都構想」の是非を問う住民投票を11月1日に控え、賛成派と反対派の論戦が盛んだ。特別区になった後、住民サービスがどう変わるかが焦点。向上をPRする地域政党「大阪維新の会」と公明党、低下を訴える自民、共産両党などが真っ向から対立する。
 都構想では、市の広域行政の事務を府に移し、法人市民税や固定資産税などもいったん府に移譲。府はこれらのお金を「財政調整財源」として管理し、事務分担量に応じて約8割を特別区に、残る約2割を府に配分する。東京都の仕組みを参考にしたが、特別区への配分割合は大阪の方が高い。外部からチェックしやすい特別会計で管理するため、賛成派は「透明性が高い」とアピールする。
 一方反対派は、4特別区の自主財源が減ることを問題視。府からの交付金に頼る「お小遣い制」と批判するほか、市を4分割することで増える経常支出もあるとして、「住民サービスは構造的に低下する」と訴える。
 これに対し賛成派は、中学生の塾代や子ども医療費への助成など反対派が縮小を懸念するサービスは、そもそも維新が始めたと主張。二重行政解消で財源を捻出している実績から、サービス水準は「むしろ上がる。下がるなんてあり得ない」と反論する。
 制度案では「特色あるサービスは内容や水準を維持する」と明記。松井一郎市長も「サービス廃止が公約の区長を有権者が選ぶことはない」と説明するが、特別区長と議会の判断による部分も大きく、区の間で格差や利害対立が起きる可能性もある。
 具体的な事務では、各特別区に児童相談所と保健所を置くことで、体制を強化。現在、児相は市内に3カ所目を建設中で、保健所は1カ所ある。教育委員会も分かれ、賛成派はきめ細やかな対応をアピールするが、反対派は「専門職の確保が難しくなり、人材育成のスケールメリットが失われる」と批判を強める。 

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