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5人に1人が認知症に?
日本で数十年前から進行している高齢化。最近では人生100年時代とも言われ始めています。
その中で、加齢とともに切り離すことができないのが「認知症」です。2025年には65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患するのではないかとも推測されており、健康寿命の延伸が注目されていますが、認知症への関心も高まっています。
認知症の中で最も多いのは、記憶力や思考力が衰えていく「アルツハイマー型認知症」。主な症状として「もの忘れ」が挙げられますが、アルツハイマー型認知症が発症すると、臭いを感じる「嗅神経」が最初にダメージを受けていることがわかってきました。つまり、嗅神経のダメージが少しずつ海馬にも伝わり、記憶機能に影響を及ぼし、その他の部位にも影響して症状が進行すると考えられています。
アロマ療法に注目
そこで、アロマ療法が注目されています。アロマの香りで嗅覚を刺激すると、嗅神経と密接に連携している海馬も活性化し、認知症予防や認知機能改善につながると考えられています。「それ、ほんと?」と疑問に感じる方もいるかもしれませんが、実際に鳥取大学医学部によって実施された研究では、アロマの刺激によって認知機能が向上する可能性があることが明らかになっています。
認知症予防におススメのアロマオイルは、昼:ローズマリー:レモン=2:1(脳の活性化)、夜:ラベンダー:オレンジ=2:1(脳の鎮静化)が効果的であると言われています。
植物から抽出した精油を用いて行う医療の代替療法の1つである「アロマ療法」は副作用が少なく、誰にでも簡単に用いることができるメリットがあり、医療現場でも、ストレスの緩和や精神的なケアやベビーマッサージなどに活用されています。ただし、敏感肌や疾患のある方、妊娠中や子供がいる場合は医師や専門家に相談することをおすすめします 。
アロマオイルは今や手軽に購入できるものとなっていますが、その成分を必ず確認してから使用しましょう。「精油」とは、100%天然植物成分で質の高いピュアオイルのことを言います。市販されているものには、精油に加えてアルコールや化学物質が含まれていることもあるので、ラベル部分の記載事項などで確認し、信頼できるメーカーの精油を使うことをおすすめします。
匂いを嗅ぐことは脳を刺激する効果があり、その臭覚が衰えてしまっては脳への刺激が少なくなって認知症の危険が高まってしまいます。よって、日常背活の中で嗅覚を働かせる機会を増やしていくと良いですね。
【執筆者プロフィール】
国府田 正枝(こうだ まさえ)
松戸市在住。病院や高齢者施設、地域包括支援センターなどで医療的専門知識や経験を積むだけでなく、介護・福祉の現場での幅広い経験をもち、各々の立場から問題解決の糸口を見つけることを得意とする。
自らの闘病体験を機に、「病気はなってからではなく、ならない方がいい」を実感し、「元気なうちから健康なからだつくり」のために活動中。
高齢化社会のこの時代を、自分らしくより良い生活を目指すために「予防医学」「地域共生」をテーマに持ち、コミュニティナースとして活動することを決心。
アロマのある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り、健康寿命を延ばすことを目指す。令和元年8月まちなす・Laboを立ち上げ、出張型「まちなか保健室」を企画・実施。
現在、会社と従業員の健康のための支援事業を準備中。
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