第220話 気候変動問題 世界で進む「脱炭素化」日本の今後は?

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は海辺の茶屋でかき氷を食べながら投資談義をしています。


T:相変わらず毎日暑い日が続いていますね。東京では、8月は20日以上連続で真夏日が続いたそうですよ。今日もいい天気です。北極圏では38度を記録したという報道もありましたし、世界的に高温化が進んでいるのでしょうね。

神様:気候変動問題は地球規模の問題ですから、世界各国の利害が絡む超難問です。その中で、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みである「パリ協定」が合意されたのは画期的なことでしたし、それだけ各国がこの問題を深刻に受け止めているということですね。

T:パリ協定については、私も以前家族と話したことがあります(第179話 防げ地球温暖化 「脱炭素」社会は実現できるか?)。今世紀末時点での世界の平均気温の上昇幅を、産業革命前から2度未満に抑えるという目標を定め、そのために「脱炭素化」を掲げていますね。

神様:その時はどんな話をされたのですか?

T:日本で行われている、火力発電所の燃料を石炭から温室効果ガスの排出が少ないLNG(液化天然ガス)に切り替える取り組みについて話し合いました。

神様:とてもいいですね。火力発電は二酸化炭素を多く排出するとして、現在、欧州を中心に抑制、廃止などに乗り出している状況です。一方の日本では、2018年度の一次エネルギー供給において、化石エネルギーは全体の86%。中でも石炭火力発電は全体の25%を占めています。そのため日本では、発電効率が低い旧式の石炭火力発電所の9割を2030年度までに削減する方針とし、脱炭素化への取り組みを強化することになりました。また、新興国などへの石炭火力発電所の新規輸出については、従来よりも高効率の設備に限定して支援することにしました。

T:そこでLNGも有効な燃料手段として求められているわけですよね。
 
神様:その通りです。さて、その他にパリ協定の実現に向けてできることは何があるでしょうか?

T:火力発電などの化石エネルギーからの脱却、つまり「再生可能エネルギー」の活用が進めばいいですよね。

神様:いい視点です。先ほどの話に戻りますが、2017年の主要国の化石エネルギー依存度を見ると、日本が最も高く91%、続いて中国が88.7%です。フランスを除き各国70~80%台と高いのですが、その中でも日本が高いのです。

T:今後は再生可能エネルギーを拡大していくことが重要となりますね。
 
神様:再生可能エネルギーと言えば、どんなものがあるかご存知ですか?

T:太陽光発電、風力発電、地熱発電、そして廃プラスチックなどを燃料とするバイオマス発電などが思い浮かびます。

神様:その他にも、空気熱を利用したり、河川や地下水の熱の温度差を利用するものもあります。太陽光発電やバイオマス発電などは国内の企業でも積極的に展開されており、今後重要な事業に成長していく可能性があります。

T:コストが高いので、企業だけでなく政府や自治体との連携も必要になりますね。
 
神様:それだけではありません。再生可能エネルギーの発電適地は日本各地に点在しますが、地形等の条件から設置できる場所が限られている側面もあります。そのため、利用普及には電力ネットワークの再構築も必要になります。電力インフラを構築する企業も重要な存在となるでしょう。

(この項終わり。次回9/16掲載予定)

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