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高齢者は重症化しやすい
気温や湿度が高くなってくると、食べ物が腐りやすくなり「食中毒」が特に発生しやすくなります。気象庁からの「3か月予報」によると8月~9月の気温は全国的に平年より高くなる予想。今年の夏は新型コロナ感染症の予防に加え、食中毒予防にも気を付けていきましょう。
食中毒にかかると、数日から2週間ほど、腹痛や下痢、嘔吐、発熱などが続きます。ひどくなると呼吸困難や言語障害などを引き起こすこともあります。夏場の食中毒で特に注意しておきたいことは、下痢や嘔吐を繰り返すことで、脱水症状によりなりやすくなるということ。
特に高齢者が食中毒をおこすと重症化しやすく、命にかかわることがあるため、日頃から注意する必要があります。もし、以下のような症状がある場合は自己判断せず、医療機関を受診しましょう。
つけない・増やさない・やっつける
食中毒予防の3大原則は、「(1)つけない・(2)増やさない・(3)やっつける」です。
(1)つけない
*手を洗う・・・石鹸を使ってきれいに洗い流しましょう。
*食品を保存するときは蓋やラップをする。
*まな板の取り扱いに注意する。使用後はきれいに洗いながし、肉や魚を切ったあとに生で食べる野菜などを切らない工夫を。
(2)増やさない
*調理後、すぐに食べる。
*食品を長時間室温に置かず、冷蔵庫に入れる。
*冷蔵庫は10度以下がベスト。詰め込みすぎないこと。
(3)やっつける
*肉や魚を調理する場合は、しっかりと中まで火を通しましょう。
*卵を食べる時は、新鮮なものを。体力が低下しているときは、生で食べるのは避けましょう。
*まな板や包丁などを、こまめに台所用漂白剤や熱湯で消毒する
また、配食サービスやテイクアウトを活用されている方も多いと思いますが、なるべく早めに食べていただくことが一番のおすすめです。すぐに食べない場合には、決してそのままにせず、必ず冷蔵庫に入れてくださいね。そして、残ったものは、できれば思い切って捨てましょう。もったいないと思ってしまいますが、次の食事で食べるということは、あまりおすすめしません。
今回は、健康で安心した毎日を送るための、食中毒予防対策をご紹介しました。美味しく食べて、免疫力を維持しながら、コロナに負けず、暑い夏を乗り越えましょう。
【執筆者プロフィール】
国府田 正枝(こうだ まさえ)
松戸市在住。病院や高齢者施設、地域包括支援センターなどで医療的専門知識や経験を積むだけでなく、介護・福祉の現場での幅広い経験をもち、各々の立場から問題解決の糸口を見つけることを得意とする。
自らの闘病体験を機に、「病気はなってからではなく、ならない方がいい」を実感し、「元気なうちから健康なからだつくり」のために活動中。
高齢化社会のこの時代を、自分らしくより良い生活を目指すために「予防医学」「地域共生」をテーマに持ち、コミュニティナースとして活動することを決心。
アロマのある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り、健康寿命を延ばすことを目指す。令和元年8月まちなす・Laboを立ち上げ、出張型「まちなか保健室」を企画・実施。
現在、会社と従業員の健康のための支援事業を準備中。
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