「来年、絶対走る」=原発被災の聖火ランナーら―福島・東京五輪

 東京五輪聖火リレーの出発予定地点だった福島県では、東京電力福島第1原発事故で対応拠点となったサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)を26日にスタートし、ランナーが被災地をつなぐ予定だった。原発事故を体験した出走予定者らは、「必ず来年走る」「準備期間ができた」と延期を前向きに捉えている。
 福島市の聖火ランナーとして出走予定だった中学1年、進藤あけ乃さん(13)は、コースを下見し、トーチの実物を持ち感触を確かめるなど、晴れ舞台への準備を重ねてきた。「楽しみにしていたので残念だけど、来年は絶対に走りたい」と力を込める。
 「震災の時に助けてくれた世界中の人たちに『元気になったよ』と伝えたい」との思いからランナーに応募した。原発事故後は山形県に避難。今は福島市に戻り、避難先で始めた新体操の練習に打ち込む。中学校の同級生や、山形の友人らに走る姿を見せるためにも、「ちゃんとした形でリレーができる方がいい」と延期を肯定した。
 葛尾村を走る予定だった福島市の農家古山浩司さん(44)は「中止にならないか不安でしかなかった」と話す。延期と決まり、「準備期間ができた。農家の代表として震災後に助けてもらった方々に、復興して元気になったと表現できるようにしたい」と意気込む。
 来年の聖火リレー開催時には、「沿道の人もランナーも笑顔で聖火のバトンができる状況になってほしい」と望んだ。
 リレーのスタート予定時刻だった26日午前10時。Jヴィレッジでは式典ステージの撤収作業が続けられた。聖火は当面、出発地の福島県で保管される予定だ。 
〔写真説明〕福島市の聖火ランナーを務める予定だった進藤あけ乃さん=16日午後、福島市の国体記念体育館
〔写真説明〕東京五輪聖火リレーの延期を受け、式典ステージの撤収作業が続くサッカー施設「Jヴィレッジ」=26日午前、福島県楢葉町

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