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視野が狭くなっていく病気
緑内障とは、いったいどんな病気なのでしょうか?一般的には目の中の圧力(眼圧)が上昇し、眼球の奥にある視神経が圧迫されて障害が起き、見える範囲、視野が狭くなっていく病気です。
理科の授業などで見たことがあるかもしれません。眼球のイラストを見ながら、もう少し詳しく説明してみましょう。
ご覧のように、眼球はカメラのような構造をしています。一番手前にあるのが角膜。角膜から入った光や映像は、レンズの役割をする水晶体を通って、目の奥のフィルムにあたる部分、網膜に映し出されます。それらの情報を、網膜につながっている視神経という神経の束が受け取って、脳に送ります。これが視覚、ものが見えるということの大まかな仕組みです。
もう一度イラストに戻ってみましょう。角膜と水晶体の間にある濃い青の部分には、房水(ぼうすい)と呼ばれる液体が流れています。緑内障で問題になる眼圧というのは、この房水という液体の圧力のことなのです。房水は血液の代わりに角膜や水晶体などに栄養を運んだり、老廃物を流したりしています。房水が移動する、循環することで、眼には一定の圧力(眼圧)が加わっています。下を向いたり上を見上げたりしても、眼球がぺしゃんこにならないのは、眼圧が保たれているからなのです。
ところが眼の周辺にある排水管(シュレム管といいます)から、房水がうまく排水されなくなると、眼圧が高くなって視神経が圧迫されるようになります。すると、見える範囲=視野がどんどん狭くなっていきます。これが、緑内障です。
日本人は欧米諸国に比べて体質的に視神経が弱い人が多く、眼圧は正常の範囲内であっても視神経がそれに耐えられず、緑内障になる人が非常に多いことも、最近の研究で分かってきました。
次回は、緑内障の治療について説明します。(続く)