
「目の健康」についての連載コラム、第2回。今回は緑内障の怖さについてお届けします。前回(第1回)はコチラ。
白内障と緑内障、名前は似ていても、そのリスクは大きく違います。前回説明したように、白内障は最近の医療技術の進歩で、かなり病状が進んだ場合でも、手術をするとほとんどの場合治るようになりました。
ところが緑内障は、そうはいきません。知らず知らずのうちに忍び寄って、病気に気づいた時にはかなり症状が進んでいることが多く、その進み方は一方通行なのです。もちろん点眼薬やレーザーによる手術で、進行を食い止めたり遅くすることはできますが、一度失ってしまった視野の広さを治療で回復することは、現状ではありません。最悪の場合、失明してしまうこともあります。
「緑内障」失明の原因の第1位に
厚生労働省の研究班の調査によると、失明した人の20%以上は緑内障によるものとされ、失明の原因の第1位になっています。また日本緑内障学会による大規模な調査では、40歳以上の日本人の緑内障にかかっている比率は実に5%、20人に1人の割合で緑内障患者がいることが分かっています。
そしてこの有病率は年齢とともに高まっていく傾向があり、70歳以上では約8人に1人の割合に達するというデータもあります。かなりの確率だと思いませんか。
緑内障は、病気に気づきにくく、気づいた時には進み方を抑えるよりほかに打つ手がないことから、“死より怖い病気”とも呼ばれています。(続く)