第192話 大都市圏のオフィス空室率が低下 今後も続く?

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、丸の内のオフィス街にあるカフェで一息つきながら、投資談義となったようです。


T:旧丸ビルが建て替えられて開業したのは2002年です。もう18年になりますね。つい最近のことのように思えるのは、この周辺の街並みが変わらず美しいからでしょうか。私はこの辺りの洗練された雰囲気がとても好きです。

神様:私も好きですよ。今後、この辺りもさらに再開発が進むようですね。

T:ここ最近、東京都心のオフィスの空室率が下がっているという話を聞きました。少子高齢化や、テレワークの推進など働き方改革の影響も考えると、意外な気もします。

神様:良いところに気が付きましたね。その通りです。東京、大阪、名古屋の三大ビジネス地区では、オフィスの空室率が下がり続けています。例えば、2019年12月の東京都心のオフィス平均空室率は1.55%と、前年同月の1.88%から一段と低下しています。大阪の中心部では1.82%、名古屋の中心部では1.92%で、それぞれ前年同月の2.83%、2.72%から1%台へと低下しています。

T:大阪、名古屋もですか。背景には何があるのでしょうか?

神様:やはり景気の影響が挙げられると思います。2012年以降、景気拡大が長く続き、それによって企業の業容が拡大し、オフィスを拡張する動きが増えたのです。その結果、オフィスの空室率も2012年以降で低下が続きました。オフィスの需給均衡の目安は「5%」とされていますが、それを大幅に下回っている状況です。また、オフィス需要は引き続き旺盛ですので、新規ビルだけでなく、既存ビルでも空室の解消が進んでいるようですね。

T:そうすると、賃料も上がっていますよね。

神様:はい。2019年12月の東京都心のオフィス平均賃料は、1坪当たり2万2,206円と、前年同月比で6%も上昇しています。また、大阪中心部では1坪当たり1万1,794円、名古屋中心部では1坪当たり1万1,568円で、それぞれ前年同月比3%、4%の上昇です。

T:好景気が続いている影響で、賃料が上がってもオフィス需要は旺盛なまま、ということですね。

神様:そしてそれが今後も続くのではないか、と思っています。

T:東京は渋谷の再開発や山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」周辺の開発

(第173話 少子化・ニーズ減少…鉄道事業の「変革」)

など、多くの再開発が進んでいます。好景気がさらに続けば、今後も旺盛な需要が続きそうですね。

神様:もちろん、景気の影響は大きいと思います。今年は東京都心で20万坪超と、大規模ビルの大量供給が予定されています。一方で、翌年と翌々年のオフィス供給量は7万坪前後と、供給が大幅に減る見通しです。また、大阪や名古屋では、需要に対し供給が少ない状態が続いています。それを考えても、今後もオフィス市況は好調が続くかもしれませんね。

(この項終わり。次回2/19掲載予定)

提供:いちよし証券
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