【50歳からの「オトナの放課後」】(第5回)仕事とは大変なことか?仕事の意義を考えてみる

仕事
50歳を過ぎた人へ送る【50歳からの「オトナの放課後」】。この「オトナ」には、酸いも甘いも知り尽くした、真の大人、成熟した大人、といった意味があります。50歳を超えて、仕事について、働くことについて、一緒にもう一度考えてみませんか?

人生100時代とはいえ・・?


2020年になり、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。そして令和の新時代を迎え、世の中は「人生100年時代」という言葉がすっかり定着して、何か新しい時代に動いている印象を受けます。
しかし、実際の生活やこれからの人生を考えると、どうやって今後の人生を過ごせば良いのか?健康不安やお金の不安も増す中で、戸惑う方は多いと思います。政治や社会情勢を見ると、国の社会保障制度の問題点が露呈し、こうした要因からも雇用延長で元気に働くことが推奨されていますし、逆を言えば「働かなければならない時代」が到来しそうな感じです。


50歳を過ぎたら働く意味を考えてみる


ライフステージ

私は今年60歳を迎えます。多くの同世代の方は子育てが終わり、一方で定年退職が近づいていますが、先ほどもお話ししたように、これからどうやって働くのか、回答が見えない方は多いのではないでしょうか?
終身雇用がすっかり崩れた日本の社会で、これからは「働く意味」をライフステージ毎に考える時代になりました。ライフステージといっても端的に言えば、「家族や子供を養う時期」と、「それを終えた時期」の2つ。年齢で言えば概ね50歳が境になります。
前者は自分の希望や欲求を極力抑えて、仕事(会社)のため、家族(子供)のために働き、お金を稼ぐことが働く意味でしょう。では後者は何かと言えば、理想は「自分のやりたいこと、やれること」を見つけ、それを仕事にすることだと思います。それが誰かを笑顔にして対価を得られれば最高です。つまり「自分が誰かの役にたち、笑顔を与える」ことが、新しい考えの「働く意味」ではないでしょうか?


自分軸の仕事を見つけるために


とは言え、簡単にそんなことが見つかるはずはない!と考える方の気持ちも良くわかります。いままで会社や家族のために働いてきたわけですから。そして人間はだれでも年齢を重ねると経験が豊富になるのと引き換えに、固定観念が強くなります。かく言う私も固定観念、そして「些細なプライドや照れ」が邪魔をしていました。
私は個人で仕事をしていますが、48歳の年にリーマンショックがあり、更には51歳の年に震災があり、仕事が激減しました。同時に40代から50代に差し掛かり、当時の私は、今後自分のスキルや経験は市場価値がなくなる。つまり仕事はますます枯渇すると、恐怖におびえ何の行動もせずに、いたずらに時間が経過していたのです。


きっかけは、ふとした気づきから


趣味の音楽

そんな私が新たな仕事の活路を見つけたのは、日常の趣味からでした。私の趣味は、Soul Musicを聴くことと、今はほとんど踊りませんが、Discoにふらり一人で出かけることです。若い頃に流行っていたDiscoは23歳から行かなくなりましたが、39歳で復活してから約20年通い、ある発見をしました。
それはDiscoに来るお客さんのすそ野が拡がっていること。その状況を「マーケティングの視点」で観察し、何故この人たちがDiscoに来るのか、その欲求を洞察したところ、踊りやお酒はあくまで手段であり、目的である欲求は「ワクワクしたい」ことを発見したのです。
やはり時代は変わっても人間は「ワクワクする」ことを求め、それはハッピーにつながり、老化の進行を遅らせて健康寿命も延びることも分かっています。
この気づきから、私は同世代の人たちの共通の価値観や消費行動を体系化し、「ABS世代(アクティブ・バブル・シニア)」として、現在はこの世代のマーケティングに加えて、ライフスタイルの仕掛けを行っています。


好奇心があれば、いつでも再スタートは可能


好奇心 アナログ

先ほどお話しした「人間の欲求」を洞察すると、「人間の本質」が見えてきます。最近書店のビジネス書や自己啓発書で目立つのは、「コミュニケーション力」や「発想力・右脳力」に関する書籍です。中身を見ると、私たち世代が昔、親や年上の先輩や上司から習った、あるいは道徳の授業で聞いた内容や、若い頃に自分の感情や感覚で面白いことに取り組んでいたころのマインドに関する話です。
デジタル社会、AIの時代だからこそ、我々が得意とする「アナログなマインド」が、再び大切にされる時代になっています。
私の結論を言えば、我々世代はもっと自信を持って、時代をリードできると思います。つまり50歳を過ぎてからの新たな人生のスタートは、「自分自身の強みを、今の時代に活かすこと」、そして「好奇心」があれば、再び扉は開くと思います。それを邪魔する要因は「固定観念・些細なプライドから来る照れ」です。
パソコンと同様に、人間も定期的に、特に50歳を過ぎたら「人生のOS再インストール」が必要かと思います。この話は、次回お伝えします。
 
※ABS世代 昭和30(1955)年から43(68)年生まれで現在51歳から65歳の、若者時代にバブルを謳歌した世代

 
 
筆者:鈴木 準(スズキジュン)
株式会社ジェイ・ビーム代表取締役
マーケティング・コミュニケーション・コンサルタント、
コラムニスト、ABS研究家、昭和歌謡DJ
1960年岐阜県岐阜市生まれ。 小学校5年生の時に聞いたラジオの深夜放送に感化され、将来は放送・広告関係の仕事に就きたい思いで上京。東京の学生時代は、六本木のディスコや湘南のサーフィンで若者カルチャーを楽しむ。
遊びの復活は1999年を過ぎて、Soul Barやディスコに20年間通い続け、その結果昭和30年代に生まれた、若者時代にバブルの影響を受けたシニア予備軍を、自ら「アクティブ・バブル・シニア ABS世代」と名付ける。
(株)電通ワンダーマン(現電通ダイレクトマーケティング)を経て、1998年コンサルタントとして独立。約40年のマーケティングプランナーやコンサルティング、そして研修講師として、様々な業界のプロジェクトで、様々なビジネスパーソンに関わり、1,000本以上の企画書作成とプレゼンテーションを実践。
マーケティングの本質は「人を口説き・好きにさせて、好きになり続けてもらう・ハッピーな近未来を提示する」ことと考え、受け手のニーズ(本質的な欲求)を捉えて、どう伝えたら(コミュニケーションを図ったら)受け手のハートをキャッ チし、ハッピーをもたらすか?を、顧客視点で、とことん考えることを信条としている。
また現在は、ライフシフト時代のオトナのライフスタイルをテーマに、連載コラム、エッセイを多数寄稿。そして「Funky Jun」の名で、 Instagram及び雑誌でのライフスタイル・ファッション提案や、昭和歌謡曲DJをこなす。
こうした経験を集大成し、人生100年時代のライフ スタイルや生き方を提唱する。
南カリフォルニア大学ジェロントロジー学科通信教育課程修了
一般財団法人グローバルジェロントロジーセンター:美齢学指導員
一般社団法人日本元気シニア総研執行役:ABS研究会主任研究員
一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会:客員講師
共著書として「広告ビジネス戦略(誠文堂新光社)」を始め、執筆、セミナー、企業研修は多数

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