【50歳からの「オトナの放課後」】(第4回)シニア向けビジネスが難しいなら、当事者たちで考えよう!

シニアビジネスが成功するには?
シニア向けビジネスはなぜ苦戦や失敗をするのか――前回(第3回)のコラムで、一般社団法人日本元気シニア総研の鈴木準氏は3つの理由を挙げました。ではどうすれば成功するのか?今回は成功するためのポイントをお聞きしました。

シニアビジネス成功は様々な波及効果を及ぼす


前回のコラムで、シニアビジネスが失敗する理由を3つ挙げました。
・苦戦理由その1~これまでのマーケットのポテンシャルが低かった
・苦戦理由その2~事業やマーケティングを考える企業人が若い
・苦戦理由その3~シニアを十把一絡げ・固定観念で捉える
この3つの苦戦を解決するには、私が考え提唱しているのは、ズバリ「シニア世代」を積極的に雇用すればいいのです。それは雇用促進だけでなく、もっと大きな波及効果があります。


ABS世代がビジネスに積極的に参画


空飛ぶ車

65歳以上の人口構成比は約28%ですが、これを50歳に引き下げると「約50%」であり、何と今や日本市場は「50歳を境に、上と下で半々の人口を構成している」のです。それにもかかわらず若年層は細かく年齢・性別を刻んでビジネスやマーケティングを行うのに、50歳を超えると一括り。これではビジネスチャンスを大きく逃がしています。こうした現状の課題を解決するため、私が思うには、50代~60代を積極的に雇用し、シニアビジネス・マーケティングに参画すれば良いのです。
政府は70歳まで定年延長を検討していますが、企業側は若い労働力を優先し、55歳くらいに役職定年させ、働く側はモチベーションをなくしています。これでは雇用する側、される側、双方が不幸だと思うのです。更には若い世代に対しても、年齢を重ねると会社から大切に扱われないという認識が広がり、会社に対するロイヤルティはますます低下していきます。こうした二次的な効果からも、ベテラン社員を積極的に雇用して、シニア向けビジネスに関与させ、自分ごと化した考えで仕事に就いていただければいいと思うのです。
自社での雇用以外にも、他者への転職も面白いことは考えらます。例えば化粧品メーカーでマーケティングを担当した女性の方、住宅メーカーで製品開発を担当した男性の方で、それぞれクルマ好きな方が、定年後に自動車会社に転職。「ABS世代向けの新車種開発」をする際に、契約社員でプロジェクトに参画させ、自分たちが欲しいと思うクルマを作らせたら、面白い化学反応が起きて、今までなかったコンセプトが生まれると思うのです。


人生100年時代のライフスタイルとABS経済圏の創造を!


わくわくする体験

ABS世代は、現在51歳から65歳ですが、これまでのシニア層に比較すると、思春期から社会人にかけて経験したモノ・コトやライフスタイルは、本当にアクティブでした。年齢を重ねた「真のオトナ達」のライフスタイルを「ワクワク」させるためには、ビジネスの現場において、若い人たちに「ABS世代の特徴」をしっかりと共有し、一緒になって考え、人生100年ライフシフト時代のライフスタイル、それを活かしたシニアビジネスを活性化させるべきだと考えています。
これが可能になると、シニアマーケティングの成功確率は高くなり、高齢者の経験を活かした仕事の創出が生まれ、そして高齢者がお金を使う、お金が循環する社会「ABS経済圏」ができると思うのです。


ABS経済圏の創造には企業に加えて、国の支援も必要


この実現には、先ずは経営者の意識を変えて、積極的なベテラン社員の活用が必要です。積極的に前向きな雇用を行うことは、若い世代に対しても会社で働き続けるモチベーションが向上し、社会に対して新時代の会社経営が注目を浴びます。
そして国も、「65歳以上は所得税免除」くらいの思い切った政策で、健康長寿社会の経済を回して欲しいところです。
日本企業は国内市場の成熟化でビジネスの主戦場を海外にシフトしていますが、先進国の中でも高齢化が進んでいる日本だからこそ「健康長寿社会のQOL」創造のため、今一度、国内市場に新風をもたらして日本人を活性化し、諸外国にライフシフトの事例を示しましょう。そのための改革を国と企業の経営陣が一体となって進め、若い従業員も関心を持って実現に向かって欲しいと願います。

 
【ABS世代(アクティブ・バブル・シニア)】
1955(昭和30)年から、新卒バブル入社組である1968(昭和43)年生まれで、若者カルチャーが拡がった70年代後半から、80年代バブル期の影響を受けている次世代シニア層。

 
 
【執筆者プロフィール】
鈴木 準(すずきじゅん)
一般社団法人日本元気シニア総研:ABS研究会主任研究員。株式会社ジェイ・ビーム代表。マーケティングコンサルタント、コラムニスト、ジェロントロジスト。
1960年生まれ。岐阜県岐阜市出身。㈱電通ワンダーマン(現:電通ダイレクトマーケティング)を経て、1998年にマーケティングコミュニケーションに関するコンサルティング、及びプランニングを事業領域とし独立開業。「株式会社ジェイ・ビーム」設立。
マーケティングの本質は「人を口説き・好きにさせて、好きになり続けてもらうこと」、そして「顧客をハッピーにする価値を与えること」と解釈している。そのためには、受け手のニーズ(本質的欲求)を捉え、ハートをキャッチするには、どうコミュニケーションを図るか。「人間観察」を通じた顧客視点で考えることを信条としている。
【著作物・その他】
共著書「広告ビジネス戦略(誠文堂新光社)」、その他一般紙・業界紙誌や、講演・セミナー・企業研修多数。
一般財団法人グローバルジェロントロジーセンター:美齢学指導員
一般社団法人日本元気シニア総研執行役:シニアビジネスアドバイザー
一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会:客員講師
南カリフォルニア大学ジェロントロジー学科通信教育課程修了
インスタグラムアカウント(funkyjun_)

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