
私(中谷比佐子)は着物に関わって50年。着物を通して日本の成り立ちを深く学びました。
日本はとてつもなく長い歴史があって、そこに日本人独特の繊細な美意識を育ててきました。非科学的な神ごとを神々しく誇り高く美しく堂々と行なう國は他にないでしょう。
例えば令和に入って行われている天皇陛下即位の一連の儀式は、世界で最も古いと云われる歴史書古事記に則って行われています。天照大神が高天原で田畑を耕し、種を植え、生育させて収穫する作業をしています。更に天照大神は天照神様よりもっと古い神様のために「神御衣」(かみみそ)という布を織っています。それは大麻と絹です。
そして収穫の感謝を高天原の神々とともに厳かに行い、ここに神に対しての作会をします(大嘗祭の後宮中晩餐会がありました)。
古代から続く大嘗祭の儀式は、この高天原での祭祀がそのまま受け継がれています。大嘗祭では新天皇陛下が五穀の収穫を喜び、「日本国の祖霊」に感謝します。その時集められた食材、儀式を取り扱う建物、儀式のための装束、大麻と絹の設置。これは何を意味するかといえば日本の「衣食住」の技術の継承を目的としています。これらの文化の伝承をしっかりとまた次の世代に受け継ぎますという覚悟を「日本国の祖霊」に伝えるのです。
そして過去の天皇様たち、また「日本国の祖霊」に国民の幸せと國の平和、自然災害を防ぐことなどの誓いを国民の代表として祭祀を執り行っていらっしゃるのです。本来なら国民も打ち揃って収穫と受け継がれる技術に感謝をする日なのですが、それがいつの間にかあやふやになり、天皇陛下の儀式となってしまったのが現代です。
せめて他人事ではなく何のために行われているのかを私達はきちんと識る必要があります。そうでないと自分が生まれたこの國を愛することはできません。私達以上に日本の気高さを指摘した科学者が居ます。
アインシュタインです。
大正11年早稲田大学大隈講堂での講演での大切なところを載せます。
「近代日本の発達ほど世界を驚かしたものはない。その驚異的発展は他の国と違った何ものかがなくてはならない。果たせるかなこの國の歴史がそれである。
私はいつもこの広い世界の何処かに一箇所くらいはこのような尊い國がなくてはならないと考えていた。なぜなら世界は進むだけ進んでその間幾度も戦争を繰り返してきたが最後には闘争に疲れる時が来るだろう。この時人類は必ず心の平和を求めて世界の盟主を挙げなければならない時が来るに違いない。その世界の盟主こそは武力や金の力ではなくあらゆる國の歴史を超越した世界で最も古く、かつ尊い家柄でなくてはならない。
世界の文化はアジアに始まってアジアに歸(かえ)る。それは、アジアの高峰日本に立ち戻らなければならない。我々は神に感謝する。
神が我々人類に日本という國をつくってくれたことを」
日本人として日本を深く識り、日本人としての誇りを持てるコラムを書いていこうと思います。
執筆者:中谷比佐子
『 日本を深く識る へのコメント 2件 』
伝統を守るのは大切だけど、日本は新しい技術や制度の発展もしてほしいなー
アインシュタインほど、美しさと自然法則の本質を両立した科学者はいません。そして日本には古来から、刀という、美しさと武器としての実用を兼ね備えた道具がありました。美しさは人間の信念であり、また自然の本質でもあるのだと思います。日本という国は、そんな自然への畏敬の念、自然を愛する心を失っていない、誇れる国ですね。大切にしたいです。