第183話 長時間労働・低賃金…物流で進む働き方改革

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから大切なので、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも投資に興味を持つようになりました。今日は「宅配便」の話題から、話が広がっているようです。


T:この前、宅配便と宅配ボックスの話

(第140話 宅配便と株)

をしたのを覚えているかな?

Y:覚えてる!インターネットでショッピングする人が増えていて、配送業者が対応できなくなっている「宅配クライシス」のことよね。

T:その通り。宅配ボックスが解決への対策だって話をしたけれど、物流業界全体を見ると、もっと大きな問題があるんだ。ところで、「運輸」と「物流」の違いはわかるかな?

S:運輸は運ぶこと?あれ、でも物流も同じ?

T:「運輸」には大きく分けて、人を運ぶ「旅客」と商品を運ぶ「物流」があるんだよ。

S:そうか。旅客も運輸なんだね。宅配は物流だよね。

T:そうだね。そして、物流の国内での輸送手段としては、トラックなどの車、船や鉄道があって、車が50%、船が40%、鉄道が5%くらいと言われている。車による輸送が半数を占めているんだよ。

Y:品物を運ぶためには、トラックでの輸送が欠かせないものね。

T:一方で、ここが問題なんだけど、トラック運転手の年間労働時間は他の産業に比べて2割も長く、賃金は逆に1割~2割も低いと言われているんだ。運転手の高齢化も進んでいて、運転手不足も深刻化しているんだ。

A子:トラックの運転手ってとても過酷な仕事よ。夜中に長い距離を運転したり、車の中で寝泊りしたり。体力ないとできる仕事ではないし、できれば若い人たちに頑張ってほしいけれど、厳しい条件ね。

T:国土交通省による「若者や女性が職場において重視していること」の調査によれば、1番重視されるのは「給料」で、その次に「職場の雰囲気や環境」、それから「勤務形態」や「勤務時間」。給料が安い、勤務環境が厳しいトラック運転手はどうしても敬遠されてしまうよね。

Y:難しい問題ね。

T:だから政府は、トラック運転手の長時間労働の是正や多様な人たちが働きやすい環境の整備を進めるために、予算を増やして働き方改革を進めているよ。例えば、時間外労働の上限規制を導入しようとしたり、荷物の上げ下ろしにフォークリフトなどを使って業務効率化を図ったり、また、トレーラーを連結させて走る「連結トラック」での輸送も可能になったんだ。それから、宅配を利用するときはできるだけ再配達にならないように1回で受け取る、大型車用の駐車スペースには駐車しないようにする、引越しの時期はピークを外して分散させるなど、国民への協力も呼びかけているよ。

A子:確かに私たちも、宅配便だけでなくもっと負担の軽減に協力できるところがあるわね。

T:物流の周辺企業には、そういった人たちを支えるサービスを提供している企業がたくさんあるから、そういうところは応援したいね。そして、ゆくゆくは自動運転技術

(第159話 自動運転と産業社会の未来)

やドローンを使った宅配

(第145話 ドローンと『空の産業革命』)

もできるようになって、スマートでホワイトな物流業界を実現できたらいいね。

A子:未来の物流ね。ピンチをチャンスに変えていきたいわね。

(この項終わり。次回12/4掲載予定)

提供:いちよし証券
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