
(写真)1975年創刊「JJ」、1976年創刊「POPEYE」、1978年公開「サタデー・ナイト・フィーバー」、こうしたカルチャーの影響を受けた若者もシニア予備軍です。
私は(鈴木)は、1960(昭和35)年生まれ。来年還暦を迎え、気がつけば「長寿」をお祝いされる年齢です。とはいえ、60歳が長寿の印象は、今時どこにもありませんよね。
私の仕事はマーケティングコンサルタントです。様々な企業の商品やサービスを、どのように市場で売るか?を考え、クライアントさんに提言する仕事をしています。そんな私は今、次世代シニアマーケティングの提案や、ライフスタイルの提唱を行っています。
次世代シニアを私は、「ABS世代(アクティブ・バブル・シニア)」と名付けました。ABS世代とは、1955(昭和30)年から、新卒バブル入社組である1968(昭和43)年生まれの方で、若者カルチャーが拡がった70年代後半から、80年代バブル期の影響を受けている次世代シニアを指します。
55年生まれの方は、来年65歳「前期高齢者」です。そして1968年生まれも52歳です。私がABS世代と名付けたのは、この14年間の世代には、幼少期から若い頃に受けた社会背景、そしてこれからのライフスタイルを模索する上で、幾つかの共通要因があることから定義づけました。
私たちが生まれ育ったのは、1960年代高度経済成長期です。悲惨な戦争体験をした親世代から多大な家族愛を注がれ育ちました。物心ついた時にはテレビや自動車があり、思春期や学生の頃には、音楽・ファッション・スポーツなど、様々な若者カルチャーから大きな刺激を得ます。
その中でも、1975年創刊の雑誌「JJ」、1976年創刊の雑誌「POPEYE」、1978年に日本公開されてディスコ・ブームに火をつけた映画「サタデー・ナイト・フィーバー」は、私たちABS世代に対する「3大インパクト」と呼んでいます。
(写真)1981年の筆者。湘南の鵠沼海岸にて。岐阜から上京して、シティボーイに憧れていた頃。
こうした時代背景を体験した私たちは、新たな若者のライフスタイルを形成し、そして80年代になるとバブル景気がやってきます。また男女雇用機会均等法が制定されたのは85年で、女性の本格的社会進出の第一期生もABS世代の女性です。
このように時代を振り返ると、ABS世代は生まれてから社会人になる過程で、日本経済が大きく成長し、モノや情報に恵まれ、「ライフスタイルのおいしいところ取り」をした世代です。社会背景の体験は、それ以前に生まれた現シニア世代と大きく異なります。
こうしたABS世代も今やシニア予備軍。私が会社員になった80年代初頭は、まだ終身雇用時代で、いい会社に就職するため頑張った方は多くいました。しかしバブル崩壊後に日本経済は低迷し雇用環境が劇変。「50代シンドローム」と言われる役職定年や出向等で、働くことへのモチベーションが低下した会社員は少なくありません。そして子育ては概ね終わり、お金がかからなくなったものの、今度は親の介護が大変と言う方は多く居ます。また未婚者も多く、今後の生き方を模索しています。
政府は「人生100年時代」と前向きな発言をしていますが、実態は社会保障制度の揺らぎで、60歳以降の「仕事・年金・親の介護・自身の健康・夫婦の生活・老後」、様々な課題を抱えているのが今のABS世代です。
(写真)筆者の友人、「タカさん、あやのちゃん、サッちゃん」も、若い頃は「イケイケ」です。
そんな私たちはこれまで、「会社、家族、子供、親、周囲の様々な人」のために、「やるコト、やらざるをえないコト」で時間を使って来ました。しかし今後は「自分のしたいコト」で、「生きがい」のために時間を使おうではありませんか!
「一度きりの人生をどう生きるのか?」、これは平等に与えられた課題です。そして「毎年1歳年齢を重ね、最後は確実に死に至る」と言う宿命があるのです。
それならば、「生きている、いや生かされている人生」を、どのように自分で生きるか?固定観念にとらわれないで、ゼロベースで考えるのも良いと思うのです。
では「生きがい」とは何か?私は「人と交流を持ち承認される、人の笑顔が見られる」ことを挙げたいと考えています。それは若い頃のカルチャーで刺激を得たように、「自分も相手も、ドキドキ・ワクワク」するライフスタイルです。
人生100年時代のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)のキーワードは「ドキドキ・ワクワク」そして「ハッピー」。こうした年齢を重ねても前向きな生き方を、私たちABS世代から実践し、下の世代に引き継いでいくことで、少しでも世の中に楽しさや面白さを提供出来ると思うのです。
(写真)上2枚は、先ほどの「タカさん、あやのちゃん」は、今でもDJやイベントオーガナイザー。左下は筆者の友人と。右下はあやのちゃん主宰のダンスエクササイズ「DOHAS」。
今日からスタートする「オトナの放課後」では、若い頃に仲間と騒いで遊んだ頃を再現するように、仕事だけでもない、家庭だけでもない、「一人の人間」として「ドキドキ・ワクワク」を実現するため、「楽しい・面白い」会話をする、酸いも甘いも噛み分けたオトナ達の「放課後の部室」みたいな場所が出来ればと思っています。
【執筆者プロフィール】
鈴木 準(すずきじゅん)
一般社団法人日本元気シニア総研:ABS研究会主任研究員。株式会社ジェイ・ビーム代表。マーケティングコンサルタント、ジェロントロジスト。
1960年生まれ。岐阜県岐阜市出身。㈱電通ワンダーマン(現:電通ダイレクトマーケティング)を経て、1998年にマーケティングコミュニケーションに関するコンサルティング、及びプランニングを事業領域とし独立開業。「株式会社ジェイ・ビーム」設立。
マーケティングの本質は「人を口説き・好きにさせて、好きになり続けてもらうこと」、そして「顧客をハッピーにする価値を与えること」と解釈している。そのためには、受け手のニーズ(本質的欲求)を捉え、ハートをキャッチするには、どうコミュニケーションを図るか。「人間観察」を通じた顧客視点で考えることを信条としている。
【著作物・その他】
共著書「広告ビジネス戦略(誠文堂新光社)」、その他一般紙・業界紙誌や、講演・セミナー・企業研修多数。
一般財団法人グローバルジェロントロジーセンター:美齢学指導員
一般社団法人日本元気シニア総研執行役:シニアビジネスアドバイザー
一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会:客員講師
インスタグラムアカウント(funkyjun_)
https://genkisenior.com/
『 【50歳からの「オトナの放課後」】(第1回)元祖「JJガールやPOPEYE少年」もシニア予備軍! へのコメント 4件 』
昭和から平成にかけてのバブル景気に青春を過ごした方も50代に。
その後のバブル崩壊で一気に不景気となり就活に苦労した方も50代に。
あそこまでの乱高下も今は昔。
★*:・’ゞ(^o^ゝ)≡(σ^∇^).⭐️.:*:・(=´∇`=✡️)☆
1970&80年代のディスコ ソングが懐かしいですね(^∇^☀️)
【YouTube動画】→
■The O’Jays オージェイズ『I Love Music (1975年)』『Back Stabbers 裏切者のテーマ (1972年)』
■The BeeGees ビージーズ『Stayin’Alive (1977年)』
■Kool & The Gang クール&ザギャング『Celebration セレブレーション (1980年)』
懐かしのサタデー・ナイト・フィーバー。私もバブル世代です。すっかりオトナになってしまいましたが、またドキドキ、ワクワクしたいですね。
今は遊ぶ体力も変わってきたからー、テレビで懐かしむだけですよねー。
でも青春にもどりたいかっていうとそうでもないですよね、
進むだけです。