米、北朝鮮・イランで対話進展も=強硬派ボルトン氏解任

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は10日、ツイッターで、対外強硬派ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)の解任を明らかにした。ボルトン氏が消極的だった北朝鮮やイランとの対話が今後進展する可能性が出てきた。
 トランプ氏はこれまで、ボルトン氏の強硬姿勢を「問題ない。私が和らげている」と擁護してきたが、10日のツイートでは「彼はもう必要ない」と切り捨てた。2020年の大統領選再選に向け、北朝鮮の非核化やイラン核合意に代わる「新合意」など外交成果の欲しいトランプ氏にとって、敵対国との交渉に否定的なボルトン氏の存在が疎ましくなっていたことが背景にある。
 ボルトン氏は北朝鮮との非核化をめぐる交渉に関し、北朝鮮が望む「段階的非核化」に反対してきた。2月末にハノイで行われた2回目の米朝首脳会談で、トランプ氏が核計画の完全廃棄を求める「ビッグディール(大きな取引)」を主張し、物別れに終わった陰にはボルトン氏の存在があったとみられている。
 ボルトン氏は、トランプ氏が静観する北朝鮮の短距離ミサイル発射も「国連安保理決議違反だ」と繰り返し批判。北朝鮮側はボルトン氏を「安保破壊補佐官」「人間の不良品は一日も早く消えるべきだ」と非難してきた。折しも北朝鮮は9月下旬の実務協議再開に前向きな姿勢を示しており、ボルトン氏解任で協議再開に向け前進しそうだ。
 一方、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は「ボルトン氏の退場で今月下旬の国連総会での(トランプ氏と)イラン大統領との会談実現に向けた障壁が取り除かれるだろう」と指摘。ポンペオ国務長官も10日、「トランプ氏は前提条件なしに会談を行う用意がある」と述べており、米側が首脳会談開催を積極的に呼び掛ける可能性もある。
 イラン側は、「体制転換を目指している」(ザリフ外相)と警戒してきたボルトン氏の失脚を歓迎しているとみられるが、米国が原油禁輸などの制裁を解除しなければ対話に応じない方針は崩していない。米政府高官は「トランプ氏は制裁緩和はしないと明確にしている」と述べており、国連総会に合わせた首脳会談実現は依然不透明だ。 
〔写真説明〕米大統領補佐官(国家安全保障担当)を解任されたボルトン氏=8月29日、ミンスク(AFP時事)


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