空洞化進む仮設団地=入居半減、自治会も解散-防犯など懸念・熊本地震3年

熊本地震の本震から16日で3年となり、県内の建設型仮設住宅の入居者は3月末でピーク時の42%、4640人まで減った。被災者の住宅再建が進む一方で仮設団地は空洞化が進み、防犯面での懸念やコミュニティー崩壊などの問題が生じている。
2度の震度7に襲われた益城町。516戸が建設された県内最大のテクノ仮設団地は、3月末で入居は272戸とほぼ半分になった。郵便受けや玄関扉に「空室」と書かれたテープが貼られた住宅が目立つ。日中、洗濯物が干されている住宅はまばらで、夜に窓から漏れる明かりも少ない。
造成当初から住む西田幸憲さん(69)は自宅再建が遅れ、今後もしばらく仮設生活を余儀なくされる。「向かいの3軒が抜けた。夜は明かりもつかず寂しい」と話す。町は「空き巣やごみの不法投棄の恐れがある」(生活再建支援課)として、来年6月をめどに町内18団地を数カ所に集約する方針だ。
3月末、高齢女性が孤独死しているのが翌日見つかった。同団地の6自治会を束ねる自治連合会長が退去し、4月に新会長に就いた池田正三さん(79)は「隣人がいないと孤独死しても何日も発見されないことになりかねない」と危惧。「私も来年には退去する。残る人もいるが、自治会もどうなるか分からない」と心配する。
東、西、北の3地区に220戸がある同町の木山仮設団地も、3月末で入居は131戸に。東、北地区自治会は解散し、集会所には人影もない。
東地区自治会長を務めていた荒瀬芳昭さん(69)は、住民同士の交流を促そうと花見や夏祭りなどを企画してきた。しかし徐々に参加者は減少。役員の退去も相次ぎ、北地区自治会長も兼務することになり、負担が増した。「私ももう70歳。何かあったときに体が動かない」
2月、両地区の全世帯に役員を募集した。「応募がない場合、自治会を解散する」としたが、応募者はいなかった。荒瀬さんは「個人がそれぞれ自立する時期だ。自治会が手助けする時期は過ぎた」と指摘しつつ、「行政は仮設団地の中に入って、住民の人間関係などの実態も把握し手を貸してほしい」と訴えた。
〔写真説明〕テクノ仮設団地のA地区入居状況を示した図。「times;印」は空き室を示す=4日、熊本県益城町
〔写真説明〕テクノ仮設団地の入居状況を示した図を手にする同団地自治連合会長の池田正三さん。入居者が退去した部屋には「空室」のテープが貼られている=4日、熊本県益城町


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