犬のアンダーショットとオーバーショットについて

犬の歯の仕組みについて

アンダーショットとオーバーショットの違いについて理解するには、まず犬の歯の仕組みについて知っておく必要があります。

門歯(もんし)

人間の歯で言うなら、前歯にあたる部分を「門歯」と言います。
食べ物を食いちぎるための役割があり、上下でそれぞれ6本ずつ生えています。

犬歯(けんし)

犬歯は、いわゆる「牙」のことで、上下で各4本ずつ生えています。

前臼歯(ぜんきゅうし)

門歯の横に生えている歯で、上下で各8本合計16本生えています。

後臼歯(こうきゅうし)

前臼歯の後ろにあり、食べ物をすりつぶす役割を果たしています。
後臼歯は、上4本、下6本の合計10本生えています。

アンダーショットとは

アンダーショットとは、下顎突出咬合(かがくとっしゅつこうごう)とも言います。
口を閉じたときに、下の門歯が上の門歯よりも前に出てしまっている不正咬合で、いわゆる「受け口」のように見える状態のことです。

オーバーショットとは

オーバーショットとは、上顎前出咬合(じょうがくぜんしゅつこうごう)といい、上下の門歯の間に隙間ができている状態の不正咬合で、「出っ歯」に見える状態のことです。

不正咬合になる原因

遺伝

親犬が不正咬合の場合、その親犬が生まれてきた子犬も、不正咬合である傾向が高いと言われています。

乳歯遺残(にゅうしいざん)

乳歯遺残とは、本来、成長とともに抜け落ちる乳歯が抜けずに残ってしまい、永久歯が正常な位置に生えてこないために、不正咬合になってしまいます。

外傷

子犬のときに顎を脱臼したり、骨折したりして、顎が変形し、歯の成長が阻害されたことで不正咬合となる場合があります。

作為的な繁殖

ブルドッグ、パグ、ボクサーなどの犬種は、「受け口」であるアンダーショットがスタンダード(理想的な容姿)とされています。
これらの犬種がアンダーショットなのは、人間の手よって作為的にアンダーショットとなるように改良されたためです。

不正咬合の欠点

食べ物が食べにくい

歯にはそれぞれ役割があり、その役割を果たすために正しい位置に生えている必要があります。
けれども、不正咬合になると歯の位置がずれていて、咬み合わせが悪いため、食いちぎれるものが食いちぎれなかったり、口の中ですり潰すことができなかったりして、食べ物を丸飲みしてしまうと言ったことが起きます。
そうなると、日常的に内臓にも負担がかかります。

口の中が傷つきやすい

本来、上下でしっかりと咬み合わせることができていれば、歯肉に歯が刺さることはありません。けれども、不正咬合の場合は、歯が歯肉や舌に当たってしまい、頻繁に口の中を傷つけてしまいます。

歯周病のリスクが高い

歯並びが悪いと、歯と歯の間に歯垢が溜まりやすく、その分、歯周病のリスクが高くなります。

不正咬合の治療方法

抜歯

まだ、永久歯が正常な位置に生えてくるように、あらかじめ乳歯を抜歯する方法です。
犬の乳歯は、生後4~6か月の間に永久歯へと生え変わるので、乳歯を抜歯する治療方法はその間に行います。

歯列矯正

歯の治療を得意としている特定の獣医さんなら、歯列矯正をすることも可能です。

まとめ

アンダーショットにしろ、オーバーショットにしろ、不正咬合と言っても命に関わるような重大疾患ではありません。
歯垢が溜まりやすい、食べ物が食べづらそう…と言った問題も、飼い主さんの工夫やケアの仕方で解決することができます。
抜歯などの治療は全身麻酔をかけて行うので、リスクが全くないワケではありません。

不正咬合であっても、家庭犬、コンパニオンアニマルとしての価値が下がるワケではありません。それはその犬の個性と考えるべきなのではないでしょうか?


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