撮り鉄の「食」の思い出(45) 登場!! 西武新特急「ラビュー」で秩父グルメ/1990~2019年


登場!! 西武新特急「ラビュー」で秩父グルメ/1990~2019年 西武沿線で生まれ育った私にとって、西武鉄道はいちばん身近な鉄道でした。

小学校に入ると、毎週水曜日は電車に乗る日。

これが楽しみでした。

そんななか、小学校3年のころでしょうか。

さっそうと登場したのが、初代西武特急「レッドアロー」。

その名の通り、赤い矢のごとく描かれたレッドライン、シルバーフェイス。

いやあカッコよかった!

目をキラッキラさせて見ていました。

初めて乗ったのは、町内会のイベントでバーベキューに行ったとき。

そのときにもらった写真、は宝物になっていました。

(たぶん、今でも持っています)


[1969年に登場した初代西武特急レッドアロー(1990年撮影)]

1993年になると、新型の西武特急が登場します。

名前は「ニューレッドアロー」、通称「NRA」です。

徐々に新型に変わり、1995年には初代「レッドアロー」は、四半世紀の役目を終えました。


[2代目西武特急「ニューレッドアロー」(2014年撮影)]

「ニューレッドアロー」は比較的おとなしい色彩の列車でしたが、2011年には1編成が「レッドアロークラシック」として初代のイメージの色で登場。

やっぱり、個人的にはこっちの色が好きです。


[2011年に1編成だけ登場した「レッドアロークラシック」(2014年撮影)]

そして今年、2019年3月。

ついに。3代目西武特急「Laview(以下ラビュー)」がデビューします。

一般公開に先駆けて2月に行われた報道公開に参加させていただきました。

昨年西武鉄道から公表されていたイメージデザインを見ていたのですが、ホントにこんな形にできるのかなぁという印象でした……。


[3代目西武特急「ラビュー」(2019年撮影)]

そして実物を初めて見た瞬間、おおー!! そのまんまだ!

メタリック感は想像以上に強く、弾丸といった感じでクールなデザインです。

運転席の曲面ガラスも印象的。

平成時代の最後に、えらい車両が出てきました。


[正面から見ると、球体のような斬新なスタイル(2019年撮影)]

客室の窓の大きさも、尋常ではありません。

普通の特急の窓に比べて、倍のサイズほどに見えます。

試乗会で実際に乗ってみましたが、走り始めるとさらに広く見えて、浮遊感すら感じます。


[客室の窓が、とにかく大きい(2019年撮影)]


[ホームの高さから見るとこんな感じ(2019年撮影)]


[高架線を走る試乗会列車からの風景。空も広く見える(2019年撮影)]

注目度も高いようで、ほかの車両に比べて、報道陣の数もかなり多いようでした。


[西武鉄道社長のインタビュー。報道陣の数も多い(2019年撮影)]

さっそく、車内に乗り込みます。

一般特急では珍しく、床はカーペット敷き。

黄色いシートはスタイリッシュで、実際に座ってリクライニングすると包み込まれたように快適です。

旅行用にはもちろん、仕事帰りにビールを片手に、このシートで帰れる方がうらやましい限りです。


[車内のシート(2019年撮影)]


[こちらは、現在走行中の「ニューレッドアロー」の車内。だいぶ様子が違う(2019年撮影)]


[もちろん、各席にコンセントを配置(2019年撮影)]

運転台も公開していただきました。

黒が基調で、モニターに囲まれていて、まさに「コクピット」と呼びたいカッコよさです。


[ラビューの運転台(2019年撮影)]

クールに見えるラビューのデザインですが、実はちょっとお茶目な機能も持っています。

ヘッドライトのメインライトを消して、リングライトの上半分をONにすれば、西武鉄道のイメージ、「スマイル」です。

更にテールランプをONにすると「ほっぺがポッ」となって、なかなかかわいい顔になります。

この状態はイベント用で、通常の運行では行わないそうです。


[スマイルライトに、ほっぺがポッ(2019年撮影)]

ラビューの運転は2019年3月16日から、池袋~飯能~西武秩父間で運転を開始します。

当初は1日6往復程度で、徐々に本数が増える予定です。

乗車の際は、西武鉄道のホームページをご確認ください。

西武線といえば、やはり秩父のグルメはハズせない!
さて、「ラビュー」に乗って行きたいのは、やはり秩父でしょう。

秩父神社や夜祭会館、酒蔵など、終点の秩父駅から歩ける範囲での見どころが多いのも秩父の魅力です。

グルメも、もちろんです。

西武秩父駅には「西武秩父駅前温泉祭の湯」が併設されています。

ここのフードコートが、なかなかの充実です。

秩父といえば、まずは豚味噌丼です。

味噌漬けの炙り焼きがこれでもかと、どんぶりを覆います。

食べれば、濃厚に凝縮した豚の味が味噌に負けず、すばらしい味わいです。

途中まで食べ進めところで、添えられたとろろを加えて味替え、最後まで楽しめます。


[祭の湯フードコートの「炙り豚味噌丼~とろろ添え~」(2017年撮影)]

こちらも忘れてはいけない、わらじかつ丼。

大きな2枚のカツでワラジスタイルです。

甘辛のタレでいただきます。

濃厚な味わいになります。

ガッツリいきたい方にはこちらでしょう。

どちらもテイクアウトが可能なので、帰りの「ラビュー」食べるのもOKです。


[祭の湯フードコートに「秩父名物わらじかつ丼」(2017年撮影)]

『炭水化物攻め』ではありますが、地元のソウルフード「みそぽてと」も外せません。

揚げたてカリカリに甘味噌がおいしいのですが、時間がたってしっとりしてきた「みそぽてと」も好きです。

ついつい、おやつ感覚で1本……です。


[祭の湯フードコートの「みそぽてと」(2017年撮影)]

西武秩父駅からちょっと歩いても良いという方には、「豚みそ本舗 野さか」もおススメです。

老舗で、休日にはけっこう並んでいます。

私も電車での取材のときには「祭の湯」、車で行ったときには、「野さか」に立ち寄らせてもらっています。

「野さか」の豚みそ丼は、肉のおいしさはもちろん、炭火焼きの香りと香ばしく焦げた味噌の香りがたまりません。

ぜひ、食べ比べてほしいです。

お店は11時~15時の営業ですが、味噌豚がなくなると閉店です。

少し早めに行ったほうがいいでしょう。


[西武秩父駅から徒歩3分ほどにある「野さか」(2016年撮影)]


[「野さか」の豚みそ丼、香ばしい炭火焼きでおいしい(2016年撮影)]

池袋~西武秩父は特急で1時間半弱。

東京の方にとっては意外と手軽な観光地です。

帰りには駅ナカ温泉もあるので、ゆっくりとした旅を楽しんでください。


[駅ナカ温泉から秩父のシンボル武甲山が見える……
ただし女湯のみ:もちろん取材です(2017年撮影)]

佐々倉実(ささくら みのる)
 鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”、初めて鉄道写真を撮ったのが小学生のころ、なんやかんやで約50年経ってしまいました。鉄道カメラマンなのに撮影の8割はクルマで移動、列車に乗ってしまうと、走るシーンを撮影しにくいので、いたしかたありません。そんなワケで年間のかなりの期間をクルマで生活しています。趣味は料理と酒! ヨメには申し訳ないのですが、日々食べたいものを作っています。
 鉄道旅と食の話、最新の話題から昔の話まで、いろいろとお付き合いください。
 ちなみに、鉄道の他に“ひつじ”の写真もライフワークで撮影中、ときどきおいしいひつじの話も出てきます。なにとぞご容赦ください。

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