「悔しがるがいいMLB」米野球記者の“日本横断プロ野球観戦記”

■MLB観戦に飽きた米紙記者が日本野球観戦記「野球への憂鬱な気持ちを癒すことができるか。日いづる国へ旅立った」

 日米球界は3月からオープン戦がいよいよ本格化する。野球シーズン到来を前に、米紙「ロサンゼルス・タイムズ」は「MLBに飽き飽きしたファンがいるなら野球観戦で日本中を飛び回れ」とのタイトルで一風変わった“プロ野球観戦記”を掲載している。

 メジャーリーグの観戦に飽きた同紙のグレゴリー・レポラティー記者が昨年7月に東京ドームでの巨人戦、神宮球場でのヤクルト戦、甲子園での阪神戦の3試合を現地観戦。「MLBへの情熱を再び燃え上がらせようとしているなら、その答えは6000マイル離れた美しい日本と言う国にあるのかもしれない。私の野球に対する憂鬱な気持ちを癒すことができるのかどうかを確認するために、私は7月に日いづる国へ向けて旅立った」との書き出しで体験記を記している。

 同記者がまず向かったのは神宮球場だ。ヤクルトについて「同じ東京に本拠地を構え、人気の巨人の陰に隠れながらもプレーする愛すべきチーム」と紹介し、燕党の様子をこう記述している。

「球場内のエネルギーは試合開始から終了まで素晴らしいものだった。伝統として、ヤクルトファンは傘を使った踊りをする。得点する度に彼らは陽気なJ-Popの歌を歌い、一斉に傘を振り上げるのである」と傘を振って「東京音頭」を歌う様子を記述。また、「最も驚いたこと」として、日本のファンは試合中に暇つぶしでスマートフォンを見ないことに言及。さらに、隣に座っていた少年が試合終了まで席に座り、歌を歌って応援して、食べ物をくれたことを伝え、「審判に対するヤジや暴言もない。判定が覆って、ホームチームに反するものだった時でさえもだ。そして、打者が完ぺきな送りバントを決めた際には、喜びの雄たけびをあげている」と日本の野球ファンの様子が綴られている。

 次に訪問したのは東京ドーム。巨人の本拠地で同記者が感銘を受けたのは「私が球場内でこれまでに見た中で、最も一風変わっていながらも、魅力的な食べ物の数々」だったという。記事では米国にはない、ビールサーバーを担ぐ“売り子”について触れられ、「MLBではなぜ過去にこのアイデアが浮かばなかったのだろうか」と疑問を投げかけている。それだけ冷えた生ビールがおいしかったのだろう。さらに、ドーム近くには野球殿堂博物館と都市型遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」が隣接していることに言及し、「ジャイアンツの試合観戦が特別な一日の時間の過ごし方になっている」と伝えられている。

■神宮→東京ドーム→甲子園→マツダスタジアム「ワイルドで歌を歌うような応援は試合そのものに匹敵するほどのショー」

 高校野球の聖地でもある甲子園も訪問したようだ。本拠地とする阪神については「この地域で最も有名なチーム」と伝えられ、カブスの本拠地で1914年開場と世界2番目に古いリグレー・フィールドが甲子園のモデルになっていること、過去にベーブ・ルースも訪れたことがあることについて言及。そして、熱狂的な虎党も好意的にうつったようだ。記事では、こう綴られている。

「一旦そこでの試合を見始めると、ベーブ・ルースやMLBのことはすぐ頭から離れることだろう。虎の縦縞模様の帽子をかぶったファンたちに囲まれ、彼らはお好み焼きやほかの美味しい地元の食べ物を食べながら、ホームチームを応援する。虎のマスクを誇らしげに被っている最前列のある男性は、9回まで踊り続け、荒々しく揺れながら応援を引っ張っている。(MLBでいうところの)セブンスイニング・ストレッチでは、ファンが赤と黄色の風船を膨らませ、それを揺らしながらアップテンポな応援歌を歌っていた。ファンたちが風船を放った時、私はうっとりとした。夜の空に黄色と赤の風船が音をたてながら飛んでいく様子に、私はその数分間子供に戻ったような感覚になった」

 同記者は広島の本拠地・マツダスタジアムへも向かったようだが、昨夏に起きた豪雨の影響で試合中止。それでも、広島の街について「広島は歴史が染み込んでいる。博物館や観光地は訪問者であふれてはいるものの、地元の人々は愛してやまない広島東洋カープに夢中だ。この球団はNPBで唯一、地域が保有する球団だ。広島を歩けばそこらじゅうにカープの旗や飾りやストリートアートがある」と伝えられている。試合観戦はかなわなかったものの、カープグッズが販売されているチームストアも訪問。「カープの頭文字のロゴである大きな『C』は、シンシナティ・レッズにとても良く似ていて、特に面白いと思った」と綴られている。

 神宮球場→東京ドーム→甲子園→マツダスタジアムと日本横断した観戦記。「MLBに次ぐ世界で二番目にハイレベルなリーグであるNPBは、私を失望させることはなかった」と記していた同記者は、こう記事をまとめている。

「(NPBは)真剣勝負の楽園。ライバルファンは熱烈でありながらも友好的で、食べ物は新鮮かつエキゾチックだった。そして、ワイルドで歌を歌うような応援は、試合そのものに匹敵するほどのショーである。悔しがるがいい、MLB」

 MLBに負けない、世界へ誇る魅力的な野球は日本にもある。(Full-Count編集部)


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