音楽が生まれる森の宿「芸森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ)」 音楽の故郷で過ごす贅沢。癒しの後の心に芽生える“モノ”とは

前回ご紹介した「芸森スタジオ」の第二章、音楽が生まれる森の宿「芸森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ)」(北海道札幌市南区)。数々のアーティストが、世界レベルのスタジオ施設、抜群の自然環境、最高のホスピタリティを求めて、音を紡ぎだすために訪れる、森の中に佇む隠れ家の様な空間です。

この空間を体験してもらいたい、ここで何かを感じてほしいと、株式会社SAVE 副社長 髙瀨清志さん、統括マネージャー 八坂ちはるさんの想いは、一般の人も宿泊できる、ホテル「芸森スタジオ&Cloud lodge」として実現されました。

芸森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ)

髙瀨さん、八坂さん、芸森スタジオのスタッフの皆さん、そして看板犬のオーティスの優しい歓迎を受け、そこから芸森クラウドロッジでのかけがいのない時間がスタートしました。

Cloud lodge(クラウドロッジ)で愉しむ自然、芸術、そして食

一面ガラス張のサンラウンジから、建物を取り囲む圧倒的な景観を眺め、自家製のバナナとくるみのパウンドケーキと香り高い珈琲をいただきました。

自家製のバナナとくるみのパウンドケーキと香り高い珈琲を・・・

創作活動のために、様々な工夫がされた設計で、海外仕様の天井の高さに開放感があります。
一直線に上に向かう階段の途中の踊り場ではアナログレコードのDJ ブースがあり、ソウルミュージックを聴きながら、マッサージチェアで疲れをとったり、本棚からお気に入りの雑誌や書籍を取り出し、ゆったりとした読書タイムも楽しむことができました。

芸森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ)

窓からは、雪が積もった広大なルーフバルコニーが見え、緑に溢れた夏のルーフガーデンに思いを馳せます。森や遠くの山々の峰が一望できるツインルーム、大きな窓から季節を感じる、暖炉が設置されたリビングルーム付きのスィートルームと、どちらも快適です。

芸森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ)暖炉が設置されたリビングルーム付きのスィートルーム

館内では、根っからのクリエイターであり、プロデューサーでもある髙瀨さんの世界感をあちこちで見ることができます。
髙瀨さん自ら製作した味のある木のダストボックス、タイル貼りのテーブル、アメニティラックなどがセンスよく置かれ、野外には、手造りの燻製器(温燻、冷燻)やピザ窯もあります。FMステーション局時代に、共感する仲間を巻きこみ、強力なチームを形成していったように、芸森スタジオにも多くの魅力ある人が訪れ、様々なアーティストの作品が、館内を彩ります。

芸森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ)

刹那的なシーンを描写するモノクロの写真、ランプシェードやキャンドルホルダーなどのガラス細工、ジーンズ模様のクッションやティッシュケース。シンガーソングライターが描いた、愛情いっぱいのオーティスの絵、そして芸森スタジオで録音されたCDの数々。

森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ)

夕食前には暖炉の火が灯され、穏やかな時が流れます。パチパチと薪が燃える音に耳を傾けていると、心が浄化されるように癒されていきます。

森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ)夕食前の暖炉

いよいよ多くの訪問者を唸らせている夕食です。
八坂さんは、今年公開された大泉洋主演「そらのレストラン」でも舞台となり、野菜、チーズ、牛乳、魚貝、羊、発酵食品など、豊かな食材とこだわりの生産者で最近話題になっている道南“せたな町”のご出身です。八坂さんのご実家でも、お米を中心に様々な野菜やそばも栽培されており、地元のせたなや旬の北海道産の食材を中心に、多種多様な料理が展開します。訪れる人の嗜好、アレルギー、体調を十分に考慮しながら、可能な限り化学調味料は使用せず、手造りのドレッシングなど健康素材がふんだんに使われています。タラと蟹のツミレ入りの和風ポトフ、ジャガイモの甘味いっぱいのコロッケ、絶品ソースのラムチョップ、ご実家のお米を使用したしょうがご飯と、口に入れる度に歓喜の声がもれます。食材の作り手の想い、苦労を理解しているからこそ、素材が持つ魅力を引き出せる温かい料理でした。

幼少時代に戻ったような高揚感のまま、夜明け前に目が覚め、寝室から外を眺めていると、白樺林が額縁の絵のように浮かび上がります。

寝室から外の景色明け方

東の空では、林の中から少しずつ日が昇り、空が紺色から、紅に色づきます。

森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ)の夜明け

森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ)の夜明け

日の光を浴びながら、きらきらと煌くその世界に足を踏み入れたくなり、スノーシューをお借りして、雪原に向かいました。林に向かう動物の足跡がありました。鹿の足跡でしょうか。雪をかぶった木々の枝々にも確かに春を待ちわびる命の膨らみが鼓動しています。目を凝らすとそこかしこに命が脈動しています。

雪原を歩く

ぎし、ぎしっと雪を踏む自身の足音だけが響きます。

音楽の故郷で思い出す心

芸森スタジオに戻る途中、オーティスと散歩する髙瀨さんと出会いました。

オーティスと散歩する髙瀨さん

高揚感と爽快感を伝えると、髙瀨さんは、「ずっとここにいても同じ感覚がある。」と笑って話されていました。そこには、北海道、札幌を人一倍愛する姿がありました。

前日の髙瀨さんとの会話が思い出されます。多くの友人が東京の大学に行く中で、道内の大学への進学を決めた高瀬さんは、当時東京に対するコンプレックスがあったそうです。FMステーションで活躍されていた時代も、東京には負けない番組をつくろうと奮闘されました。「ラジオを聴いているだけで、都会の風を吹かせたい」という意気込みで取り組んでいたといいます。その結果、「札幌のチャートに着目しろ」という業界の評判、今でも「札幌が第二の故郷」というミュージシャンが多いなど、札幌のFMステーションに全国が目を向けることになりました。

「芸森スタジオ&Cloud lodge」においても、ここでしかつくれない音を求めて、東京、そして海外からの多くのアーティストが訪れます。レコーディング以外にも、医療関係者の研修、ウェディング、ヨガ合宿など、海外の方を含め、様々な人が芸森スタジオに集まります。札幌から東京や世界へと向いていた流れが、東京や世界から札幌へとベクトル(矢印)の向きを変えたのです。“コンプレックス”を“誇り”に変えた生きざまは、地方で生きる人に大きな力を与えるでしょう。

葉加瀬太郎さんのアルバム

バイオリンの音色が心地よいサンラウンジで、そっとテーブルにおかれていたのは、芸森スタジオでレコーディングされた、葉加瀬太郎さんのアルバムでした。CDの冊子には、楽しくレコーディングされている葉加瀬さんはじめ一流ミュージシャンの様子、ルーフガーデンでのバーベキューやオーティスの写真もありました。

創作の場で、そこで創られた音楽を聴きながらいただく朝食は至福のひとときです。ご実家で栽培されたそば粉の風味たっぷりのガレットと、ベーコンの燻製香の香りのマリアージュを楽しみます。前回は、夕食は、海鮮ブイヤベースにチーズたっぶりのラザニアなど、そして朝食は滋味あふれる美味しい薬膳粥でした。料理のふり幅の広さに驚き、次回への期待が益々高まります。

そば粉の風味たっぷりのガレットと、ベーコンの燻製香の香りのマリアージュ

“音楽が生まれる空間に泊まる”。そこは非日常に溢れ、その緊張感を経験するのだろうと予想していましたが、それは違っていました。非日常のその空間は、いつの間にか日常に変わり、なぜか懐かしく、童心にかえったようにリラックスできます。最高の音を創り出す同じ空間に泊まる贅沢ではなく、その音が生まれる瞬間の感覚を共有できる贅沢なのです。心の原風景、夢に満ちていたあの日、その夢に走り出す勇気を思い出すのです。自分の中にもっている五感が刺激され、癒されるだけではなく、過去と未来が交錯し、前向きな気持ちになります。確かに、昨日の自分と、ここから離れる頃の自分は変わり、背中を押されるような幸福感と希望に溢れます。

髙瀨さんと八坂さんの「最強の二人」は、ここを舞台に、芸森スタジオの最高のメンバーと次は何を仕掛けてくるのでしょうか。現在進行形の「クリエイターがそれぞれの得意分野を活かして 共同で作品を制作するワークショップ」、「八坂さんの料理教室」、「星空映画祭」、アウトドアラウンジの設置など考えただけでも胸が高鳴ります。

芸森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ)髙瀨さんと八坂さん

そして、オーティスを引き連れてのデイキャンプ?
オーティス、もちろん君の役割は大きい。
「最強の三人!?」の挑戦は、まだまだ続きます。

芸森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ)オーティスと髙瀨さんと八坂さん

N.Shimazaki
Webメディアのプランナー・ライター・フォトグラファー。国際ビジネスコンサルタント。
北海道大学卒業後、ワールドネットワークを持ったドイツ系企業に所属し、システム、マーケティング、サプライチェーン、イベント等のアジアのリージョナルヘッドとして、多国籍のメンバーとともに世界各地で数多くのプロジェクトを遂行。世界の文化に数多く触れているうちに、改めて「外からみた日本」の魅力を再認識。現在、日本の手仕事、芸能等の文化、自然、地方の独創的な活動を直接取材し、全国、世界へと発信している。


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芸森スタジオ&Cloud lodge(クラウドロッジ) https://www.geimori-st.jp/
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