撮り鉄の「食」の思い出(43) ひたちなか海浜鉄道であんこう鍋&駅猫&多彩な車両を楽しむ/2012~2016年


ひたちなか海浜鉄道であんこう鍋&駅猫&多彩な車両を楽しむ/2012~2016年
茨城県のひたちなか海浜鉄道は、常磐線に接続する勝田駅から海岸に近い阿字ヶ浦駅までを結ぶ、電化されていないローカル線です。

この鉄道は、もともと茨城交通の路線でしたが、現在は第3セクター鉄道として営業しています。

まずは、ちょっとだけマニアックな話にお付き合いください。

この鉄道の魅力のひとつは多彩な列車が走っていることです。

現在の主力車両はグリーンとアイボリーのキハ3710形、きれいなデザインの車両です。

ちなみにこの形式は、那珂湊(なかみなと)から“みなと“=3710だそうです。


[主力の車両はキハ3710形(2012年撮影)]

JR東海で走っていた小さなディーゼルカーも3両走っています。

色合いは、JR東海で走っていたままのオレンジとグリーンのラインです。

現在では、元のJR東海にはなくなってしまった車両なので貴重です。


[JR東海から来たキハ11(2016年撮影)]

少し前までは、鉄道ファンに人気のある国鉄型車両も4両走っていました。

4両とも色が違っていて好きな車両だったのですが、特に好きだったのがキハ2004とキハ2005。

ともに床が板でできていて、懐かしさにあふれた旅のできる車両でした。

残念ながら2015年に引退。

キハ2005は、終点の阿字ヶ浦駅に飾られています。


[昔の準急色と呼ばれる色合いのキハ2004:現在運転終了(2012年撮影)]


[急行色のキハ2005:現在運転終了(2012年撮影)]


[キハ2004の車内。板張りの床とブルーのシートがレトロ(2012年撮影)]

4両のうち3両は引退してしまったのですが、1両だけ現存しています。

ただし、普段の列車には使われず、イベントなどのときに走るそうです。

乗ってみたい方は、ひたちなか海浜鉄道のホームページなどでご確認ください。


[現存している旧型ディーゼルカー(2012年撮影)]

『ネコの駅』那珂湊駅は、鉄マニアもネコマニアもチェックすべし!
ひたちなか海浜鉄道の途中駅、那珂湊駅はネコの駅として有名です。

駅猫の名前はオスの“おさむ”とメスの“ミニさむ”。

“おさむ”の名前の由来は、「黒猫のタンゴ」の歌手皆川おさむさんからいただいたとのことです。


[那珂湊駅のホームには、こんな掲示も(2016年撮影)]


[黒いほうか“おさむ”、トラが“ミニさむ”。とにかく仲がいい(2012年撮影)]

[気が向くと「駅の巡回」に出発(2015年撮影)]

この駅の駅名板もネコデザインです。


[駅名板もネコデザイン(2016年撮影)]


[もちろん普通の駅名板もある(2012年撮影)]

そして、旅のメインテーマ。那珂湊の新鮮な魚に舌鼓!
さて、那珂湊といえば“おさかな市場”。

那珂湊駅から歩いて10分ほどの海沿いにあります。

食事の店が7軒と海産物販売のお店が5軒と店数は少なめなのですが、それぞれ規模も大きくて広い市場です。


[那珂湊の“おさかな市場”(2012年撮影)]


[城内には、新鮮な魚が並んでいる(2012年撮影)]

年末に行ったときには、すごい混雑でした。

だいたい那珂湊駅前も市場に向かう車で渋滞。

確実歩いたほうが早く着きます。

広い市場も活気づいていました。

お店に入ると、もちろん冬の名物、あんこうが並んでいます。
 


[市場に並ぶあんこう(2016年撮影)]

なかなかの怖い顔です……。

よく見ると、頭の上にはちょうちんも。

そして今回の旅の目的、あんこう鍋のお店に入ります。

まずはあん肝、濃厚でたまりません。

1杯目のビールをさっさと切り上げて日本酒です。

日本酒といっしょにすると最高、今回ばかりは電車で来てホントによかった。


[まずは、あん肝から(2016年撮影)]

そして、お待ちかねのあんこう鍋。

くつくつと煮えたところで食べ始めます。

あん肝を溶いた濃厚なスープに、淡白でぷるんとした上品なあんこうの身。

締めの雑炊まで一気にいただきました。

あんこうの漁期は夏以外とけっこう長いのですが、市場の食堂でのあんこう鍋は11月~3月です。

やはり寒い時期がおいしいのですね。


[おさかな市場で食べたあんこう鍋(2016年撮影)]

今回の那珂湊は友人と出かけたので、家でも食べたいと思い、あんこうのぶつ切りを買ってきました。
 
翌日家で調理です。

あんこうをぶつ切りにして、塩を振ってお湯に通して……。

あん肝バターで炒めて、出汁をとり、調味料を入れて……。


[家では、みそ仕立てを作ってみました(2016年撮影)]

あん肝のコクと、バターの隠し味で濃厚なスープになりました。

ただし、鍋としてはちょっと手間がかかって、年末向けの料理ではないかもしれません。

忙しい年末のあんこう鍋は、やっぱりあんこう鍋はお店で食べるのがおススメです……。

佐々倉実(ささくら みのる)
 鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”、初めて鉄道写真を撮ったのが小学生のころ、なんやかんやで約50年経ってしまいました。鉄道カメラマンなのに撮影の8割はクルマで移動、列車に乗ってしまうと、走るシーンを撮影しにくいので、いたしかたありません。そんなワケで年間のかなりの期間をクルマで生活しています。趣味は料理と酒! ヨメには申し訳ないのですが、日々食べたいものを作っています。
 鉄道旅と食の話、最新の話題から昔の話まで、いろいろとお付き合いください。
 ちなみに、鉄道の他に“ひつじ”の写真もライフワークで撮影中、ときどきおいしいひつじの話も出てきます。なにとぞご容赦ください。


externallink関連リンク

撮り鉄の「食」の思い出(42) クセになる!「黒石つゆ焼きそば」と「キ100」/ 2005~2015年 撮り鉄の「食」の思い出(41) 地吹雪の津軽鉄道ストーブ列車と「けの汁」/~2018年 撮り鉄の「食」の思い出(40) 冬の五能線。〝わさお“の焼いかとヒラメの漬け丼/~2018 撮り鉄の「食」の思い出(39) 南阿蘇鉄道、復興へ! /1986~2018年 撮り鉄の「食」の思い出(38) 南阿蘇鉄道で冬紅茶/1976~2017年 
externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)