歌声聞くと古都が南の島に!? – 春日大社御創建1250年の地から MINMIさんによる ツアー『Identity』始まる

春日神社の総本社 『春日大社』

春日神社の総本社 『春日大社』

秋雨前線の停滞により当日朝まで降り続いた雨は奇跡的に上がり、広がった青空に、朱色の本殿が目にまぶしく映ります。飛鳥から平城京へと都が移された奈良時代から歴史が始まった春日大社は、全国に3,000ある春日神社の総本社であり、今年で創建1250年。ユネスコの世界遺産に登録されてから20周年を迎えました。20年ごとに斎行される「式年造替(しきねんぞうたい)」という制度を守り続けることにより、朱色の柱に白い壁は瑞々しく鮮やかな姿に保たれ、尊厳のある凛とした空気が満ちています。

春日神社の総本社 『春日大社』

春日神社の総本社 『春日大社』

春日神社の総本社 『春日大社』

境内にある奉納された3,000基の燈籠が多くの人々からの厚い信仰の広がりを示し、まるで王朝絵巻のような様に圧倒されながら、春日大社の西側に広がる広大な芝生の丘「飛火野(とびひの)」に向かいました。

自然と共存して災害を乗り越えるコンセプトを伝えるMINMIさん

飛火野

飛火野は、奈良時代、平安時代の貴族たちの和歌などにも頻繁に登場し、奈良を愛する人々のくつろぎの場所と言われています。春日大社に祭られている武甕槌命(たけみかづちのみこと)が奈良の地に白鹿に乗ってきたとされることから、古くから神様の使いとされている鹿たちも、のんびりと思い思いに過ごしています。

飛火野

周囲を悠然とした大木に囲まれた飛火野ですが、特に目を奪われるのは、明治天皇の玉座跡に記念植樹された樹齢約100年の大きな楠です。東側から見ると一本の幹に見えますが、実は三本の株がからみあっており、そこに立つと、見守られているような落ち着いた気持ちになるのはここで時代と共に変わりゆく人々を見守ってきた木だからでしょうか。

MINMIさんが発揮人の大型野外音楽フェス「FREEDOM」@春日大社 飛火野

シンガーソングライターMINMIさんは2008年、「自然」「仲間」「音楽」をテーマに自らが発起人となり、大型野外音楽フェス「FREEDOM」をスタートしました。東北、淡路島、九州といった大きな自然災害でダメージを受けた土地で、災害を乗り越えることを応援しつつ、「自然は敵ではなく、一緒に共存していくもの。自然の恩恵をしっかり感じて、楽しもう」をコンセプトに、自然を考え、自然を感じ、自然とつながることで生まれる感動を大切にしたいという思いを伝えてきました。今日は、この場所で、どんなステージが始まるのでしょう。

MINMIさんが発揮人の大型野外音楽フェス「FREEDOM」@春日大社 飛火野

入場口では、春日大社の御創建1250年を祝い主催者であるSAP社からのふるまい酒が配られ、使用した盃は持ち帰りOKという素敵な演出もあり、スタート前から粋な空気が漂い、期待は高まります。

古都奈良に刻まれた、MINMIさんのメッセージ

MINMIさんツアー『Identity』@春日大社 飛火野

すっかり日が落ち、水分を含んだ周囲の木々や足元の芝生から上がる、まるで朝もやのように見える涼やかでかすかな蒸気がステージを包み、もう間もなく満月を迎える月の灯りがスポットライトのようにステージを照らし始めた頃、ショウが始まりました。巫女さんを想像させる白に朱色のセットアップ姿でたおやかに登場し、静かなバラードを語りかけるように歌います。日頃から、日本独自の文化や造詣に誇りを感じ、国内外に向けて、音楽と共にその魅力を届けたいと語り、過去にも、住吉大社や比叡山延暦寺を舞台にステージに立たれています。太陽と海、カリブの風に吹かれ、パワフルに歌い、踊るというスタイルで多くの人々を魅了しているMINMIさんが、今宵、“和”を感じる飛火野で、切ない歌声を響かせます。

MINMIさんツアー『Identity』@春日大社 飛火野

この日から始まるツアーのタイトルは『Identity』。

MINMIさんツアー『Identity』@春日大社 飛火野

ご自身が子育て中であるMINMIさんのきめ細やかな心配りから、「FREEDOM」でも、託児所や授乳施設を用意し、何歳になっても音楽と自然と繋がれる場所を提供している為でしょうか。会場には家族連れ、小さなお子さんの姿も目立ちます。「Identityとは『皆が好きだから好き、ではなく、皆が好きじゃなくても私は好きと言えるもの』」と語ると、会場のあちこちにいる少女たちは、真剣な眼差しでその言葉に耳を傾け、彼女の紡ぐ声、呼吸、リズムに合わせて、思い思いに体を揺らします。

MINMIさんツアー『Identity』@春日大社 飛火野

「人生にはいろんな時があって大変なときもあるけれど、そういう時にこそ生まれるものがある」と、これからもずっとステージに立ち続け、歌い続けることを約束し、魂を揺さぶるMINMIさんの声、パワフルなダンサーのパフォーマンス、そして会場の熱気で、古都奈良が南の島へと変貌しました。この場所にしかない特別なパワーを伴って発信されたメッセージは、それを全身で受け取ったそれぞれの心に共感と勇気を与えました。
「Identity」という言葉、そして深く胸に刻まれた今宵のメッセージが、飛火野のステージの残像と共に、一人ひとりの背中を押してくれるでしょう。自分らしく、一歩ずつ先へ。

MINMIさんツアー『Identity』@春日大社 飛火野

M.Sawaguchi
ライター、輸出ビジネスアドバイザーとして活動中。
早稲田大学文学部にて演劇を専攻し、能、狂言、歌舞伎、浄瑠璃といった日本演劇、西洋演劇、映画について学ぶ。一方で、海外への興味も深く、渡航歴は30か国以上。様々な価値観に触れるうち、逆に興味の対象が日本へと広がる。現在は、外資系企業での国際ビジネス経験を元に、実際に各地に足を運び、日本各地発の魅力ある人、活動、ものについて、その魅力を伝えることで世界が結ばれていくことを願い、心を込めて発信中。

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