これぞ聖域…世界が注目「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」

厳しく立ち入りが制限される「神宿る島」

玄界灘の洋上に浮かぶ周囲わずか4㎞の小さな島が、今世界の注目を集めています。4~9世紀に国の安寧、大陸との交流の成就や航海の安全を祈って国家祭祀が行なわれ、「神宿る島」とも「神坐す島」とも呼ばれている「沖ノ島」です。「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」は、2017年7月9日に世界遺産に登録されました。一般の入島を禁ずるという掟は守られ、島内で見聞きしたことは語ってはならず、島の一木一草一石たりとも持ち帰ってはならないとされます。立ち入りは厳しく制限され、宗像大社の神職ひとりだけが交代で滞在し、首まで海に入って禊(みそぎ)を行い、島の中央にある社、沖津宮に通って祈りを捧げています。
沖ノ島の沖津宮(おきつぐう)、大島の中津宮(なかつぐう)、そして宗像市にある辺津宮(へつぐう)という三つの宮があり、それぞれ三柱の女神、田心姫神(たごりひめのかみ)、湍津姫神(たぎつひめのかみ)、 市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)が祀られています。これら三宮をあわせて宗像大社と呼んでいます。宗像三女神は、日本書紀において「道主貴(みちぬしのむち)」と別称され、人生におけるあらゆる道を司る最も尊い神として信仰され、現在では、交通安全の守護神として人々から篤く崇敬されています。

辺津宮で宗像三女神の三柱を参拝

宿泊先の博多から電車で約30分、タクシーで10分、初めて辺津宮を訪れました。

安土桃山時代の神社建築の特色を今に伝えるといわれ、国の重要文化財でもある辺津宮・本殿と拝殿、沖ノ島と大島に鎮座する女神様たちが祀られている第二宮(ていにぐう)と第三宮(ていさんぐう)と宗像三女神の三柱を参拝しました。


高宮祭場への道は「鎮守の杜の道」と呼ばれ、独特の厳かな雰囲気に包まれています。鎮守の杜の道から、中津宮の方向を臨み、海を介した沖ノ島とのつながりを感じながら暫く登っていくと、


社殿のない、木々に囲まれた「高宮祭場」があらわれました。沖ノ島と並び我が国の祈りの原形を今に伝える全国でも数少ない古代祭場です。壮大な気を感じ、凛とした空気感で満たされている聖域でした。

上陸できない世界遺産「沖ノ島」を収めた貴重な写真展

沖ノ島国宝展×藤原新也展

沖ノ島では、70枚以上もの銅鏡、金製指輪、金銅製龍頭、奈良三彩などの奉献品(すべて国宝)が約8万点も採集されました。それらのご神宝が、天平時代一流の工芸品が納められている奈良・正倉院に匹敵することから、沖ノ島は「海の正倉院」の異名を与えられています。

沖ノ島国宝展×藤原新也展

神宝館では、「沖ノ島国宝展×藤原新也展」(2018年7月21日~11月30日)が開催されていました。沖ノ島出土の国宝5千点や、3度にわたって、宗像大社の特別な許しを得て沖ノ島に上陸した写真家・作家の藤原新也さんの写真パネル70点が展示されていました。上陸できない世界遺産「沖ノ島」を感じる貴重な機会です。

沖ノ島国宝展×藤原新也展

荒れる玄界灘から望む沖ノ島や今も古代のご神宝が遺される島内の遺跡、14にも及ぶ巨石群など島の全貌が、カメラにおさめられています。藤原新也さんは、その小さな島を、分け入っても、分け入っても全容を見ることができない“時空のない島”と表現しています。神事のように撮られた写真からは、三次元、いや時間軸を入れた四次元でも捉えることのできない、心に直接つながる力を感じることができます。

宗像大社は、世界遺産の本来の使命「未来に守り伝える」を軸に置き、2018年からは、一年に一度の現地大祭への一般人の参加も取りやめました。遺産登録を観光客呼び込みの材料とする取り組みとは真逆の姿勢であり、観光地としてではなく、祈りをささげる聖域であり続けたいという決意を強く感じます。

威勢のいい掛け声とともに「幟大山笠」がゆく

祈願殿に向かう途中、ユネスコ無形文化遺産の「戸畑祇園大山笠」の天籟寺(てんらいじ)大山笠による、男衆の奉納運行に遭遇しました。「ヨイトサ」の威勢のいい掛け声とともに、昼の姿の幟(のぼり)と金銀の糸で刺しゅうした幕で飾られた「幟大山笠」が境内に向かいます。

戸畑祇園大山笠は、昼夜でその姿を替える「姿替え」があります。間もなく、「光のピラミッド」と称される夜の姿「提灯山笠」と市川海老蔵さんの歌舞伎の夢の競演が、千年先の未来を見据えて聖域を守る”宗像大社”の地で幕を開けます。

N. Shimazaki
Webメディアのプランナー・ライター・カメラマン。国際ビジネスコンサルタント。
北海道大学卒業後、ワールドネットワークを持ったドイツ系企業に所属し、システム、マーケティング、サプライチェーン、イベント等のアジアのリージョナルヘッドとして、多国籍のメンバーとともに世界各地で数多くのプロジェクトを遂行。世界の文化に数多く触れているうちに、改めて「外からみた日本」の魅力を再認識。現在、日本の手仕事、芸能等の文化、自然、地方の独創的な活動を直接取材し、全国、世界へと発信している。


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これぞ聖域…世界が注目「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」 へのコメント 1件 』

  • 投稿者:(´▽`⛱️)オカルトさん(By.ss)

    母親の実家から車で2時間程の場所に青海島という場所がある(´Д`)
    島の周囲には数多くの形をした岩があり、観光フェリーでの見学した時は気分が善かったです(^∇^♪)
    島内にもいろんな見学地があり、近郊には秋吉台(洞窟&カルスト台地)が印象に残ります(´▽`♪)
    今から約15年程前まで営業していた海上レストラン&鯛の餌やりが営業終了したのが残念でならないです…( ´△`☁️)

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